2017 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of cancer expenditure and outcomes of cancer screening using medical claim data in Japan
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17K09127
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小川 俊夫 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 准教授 (40570974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖父江 友孝 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50270674)
喜多村 祐里 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90294074)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん検診 / がん医療費 / レセプト / 地域連携パス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、保険者が保有する職域がん検診、特定健康診査、レセプトなど各種データを名寄せ・突合して大規模コホートを構築し、大規模コホートを用いた職域がん検診とがん医療費について多角的で詳細な分析により、がん医療費の医療システムおよび保険者財政に与える影響については考察することを目的に実施している。 研究初年度の本年は、研究代表者を中心に、研究分担者、連携研究者、さらに全国健康保険協会(協会けんぽ)本部、東京支部、兵庫支部、福岡支部が研究協力機関として参加した研究班を組織した。研究班に参加した協会けんぽ3支部それぞれにおいて、先行研究の成果を活用した2010から2016年の7年分データを収載した分析用DBを構築し、大規模コホートの利用を可能とした。 がん医療費の分析にあたり、レセプトを用いたがん患者の正確な特定が必須であるものの、レセプトに記載された疾病名では正確性に欠けるため、がん患者の特定手法について検討し、その方法の確立を試みた。その上で、本年度は胃がん患者の抽出とがん発症からその後のがん医療費の月次推移とがん検診の医療費に与える影響について推計を行った。また、がん治療の地域連携クリティカルパスの利用実態に関する分析として、胃がん患者の利用している医療機関数とその所在地を確認することで、がん医療の医療機関間の連携について明らかにする試みも実施した。さらに、がん患者の特定に合わせて、がんの精密検査受診者の特定手法についても検討し、がん患者および精密検査受診者の特定の手法の確立を、胃がん、大腸がん、肺がんそれぞれについて試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の初年度で研究班を組織し、大規模コホートの構築を実現した。構築した大規模コホートを用い、がん患者とがん精密検査受診者の特定手法を検討し、胃がんについて実際に特定を実施した。また、抽出した胃がん患者について、がん検診の有無で医療費の推移を分析し、がん検診が医療費に与える影響について考察した。さらに、がん医療を提供した医療機関情報を用いて、がん医療の地域連携パスの実態についても分析を実施しており、研究初年度の計画よりも研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度は胃がん患者の特定を実施したことから、今後は肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんなどにその対象を拡大する予定である。また、がん精密検査受診者の特定を各がんで実施し、保険者ががん検診受診者の把握とその後のフォローアップを簡易にできる枠組みを構築する。 大規模コホートを用いた研究としては、引き続きがん医療費とがん検診、さらにがん医療の提供にかかる分析を実施する。また、がん検診の費用対効果分析や革新的がん治療にかかるがん医療費の分析を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度予定していた研究補助者による研究実施を次年度にしたため。また、本年度購入予定であったソフトウエアを次年度に行うことにしたため。
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