2017 Fiscal Year Research-status Report
大規模レセプトデータベースを用いた脂質異常症における眼科疾患発生に関する疫学研究
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17K09134
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大場 延浩 日本大学, 薬学部, 准教授 (90728677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福岡 憲泰 日本大学, 薬学部, 教授 (90708950)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レセプトデータベース / 薬剤疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国のレセプトデータベースに含まれる眼科疾患(白内障や緑内障)のコードを持つ患者の特定方法については十分に検討されていない。レセプトの病名コードのみを用いて、眼科疾患の患者を特定すると、実際には眼科疾患が確定診断されない場合でも、眼科疾患の診断をするため、あるいは検査を行うために、眼科疾患の病名が記録される場合があることが良く知られている。したがって、本研究で対象とする眼科疾患の患者を特定するためには、眼科疾患の病名コードを持つ患者を、実際に眼科疾患を持つ患者とみなすことができるかについての慎重な検討が必要となる。この点を明確にするために、研究協力者の眼科医師から助言を得て、本研究で対象とする眼科疾患を持つとみなすことが妥当と考えられる診断コードを選択した。さらに、白内障や緑内障の手術に関するコードについても検討し、選択した。 これまで、レセプトデータを用いた研究では手術や検査等に関するデータの抽出が可能かに関する研究がほとんど行われていなかったので、既存のレセプトデータを用いて、血液検査の項目(血中濃度の測定に関するレセプトの項目)についてのデータ取得が可能かについて検討した。特定の薬剤について血中濃度の測定が推奨される薬剤の使用者における薬の使用割合と、その薬の使用者におけるその薬剤の血中濃度の測定割合がどの程度実施されているかについてレセプトデータを用いて検討することが出来た。これについては、論文として報告することが出来た。これは、今後、レセプトデータベースを用いて眼科疾患について検討することにも応用可能と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今後は、わが国のレセプトデータベースを用いて、脂質低下薬の使用と眼科疾患(白内障や緑内障)との関連についての検討を行う予定である。そのためには、まず、眼科疾患の患者の特定のために利用可能な診断コードを明確にする必要があるが、眼科疾患の病名コードについては、研究協力者の眼科医師から助言を得て、本研究で対象とする眼科疾患を持つとみなせる妥当な診断コードを選択することができた。さらに、白内障や緑内障の手術に関するコードについても選択することが出来た。 その他、既存のレセプトデータを用いて、特定の薬剤使用者における血液検査の実施割合について検討することが可能であることがわかったので、脂質低下薬の使用と眼科疾患との関連について検討を行う研究にもこの経験を役立てることが出来る。
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Strategy for Future Research Activity |
高脂血症患者の集団(対象集団)を、レセプトデータベースに含まれる脂質低下薬が処方されている患者として定義する。この対象集団について、特定した眼科疾患のコードを用いて、その発生がどの程度であるかについて検討する。可能であれば、脂質低下薬の種類別に眼科疾患の発生が異なるかについても検討する予定である。
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Causes of Carryover |
眼科疾患のコードの特定と研究遂行のための情報収集に、当初想定していた以上の費用(学会参加費)を要した。このため、今年度に計画していた高額なデータが購入できなくなり、結果として次年度使用が発生した。データの入手は研究遂行上必要であるため、次年度は他の費目の使用を削減してデータを購入する予定である。
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Research Products
(2 results)