2017 Fiscal Year Research-status Report
腸内フローラと心機能および動脈硬化、さらに動脈硬化進行との関連
Project/Area Number |
17K09136
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
長澤 晋哉 金沢医科大学, 医学部, 講師 (30510341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅地 孝能 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00183137)
西野 善一 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70302099)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | trimethylamine-N-oxide / BNP / CAVI / 腸内フローラ / 動脈硬化 / 心機能 / 循環器疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、腸内細菌によって産生されるtrimethylamine-N-oxide (TMAO)値と心機能に強く相関するbrain natriuretic peptide (BNP)値、およびTMAO値と動脈硬化指標であるCardio Ankle Vascular Index (CAVI)との関連について、他の交絡因子を調整した多変量解析によって分析し、さらにTMAO値とCAVIの平均年間変化量との関連も同様に分析する、ことである。なお本研究の対象は、心疾患や動脈硬化が生じ始める40歳以上の者である。 腸内フローラと動脈硬化や心機能および循環器疾患との関連についての研究は未解決な問題が多く、端緒についたばかりとも言える。特に欧米人と食事内容が違い腸内フローラの特徴も違うと予想される日本人含めアジア人を対象としたTMAO値についての報告はほとんどなく、動脈硬化や心機能および循環器疾患との関連についての報告は未だない。さらにTMAO値とCAVIとの関連についての報告は世界的にも未だない。 本研究では、対象集団を当初某製造業事業所に勤務する従業員約8千名のうち平成30年度に健康診断を受ける予定の満50歳と満59歳男性従業員(それぞれ約 200 名)としていたが、事業所の方針転換があり、研究代表者の勤務する大学附属病院の人間ドック受診入院者で年齢が40から70歳代の男女約200名に変更した。当大学附属病院は平成16年に血圧脈波検査装置を購入し、平成28年9月末時点までに約300名の人間ドック受診入院者に対しCAVIを計測済みである。 平成29年度は、本研究の初年度であったが、以上の研究計画について当大学の倫理審査委員会の承認を得、平成16年から平成28年までに測定したCAVIデータベースの構築作業を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本調査の対象集団は、当初某製造業事業所に勤務する従業員約8千名のうち平成30年度に健康診断を受ける予定の満50歳と満59歳男性従業員(それぞれ約 200 名)としていたが、事業所の方針転換があり、研究代表者の勤務する大学附属病院の人間ドック受診入院者で年齢が40から70歳代の男女約200名に変更した。その中に既にCAVIを測定した者が約50人を含む(当大学附属病院は平成16年に血圧脈波検査装置を購入し平成28年9月末時点までに約300名の人間ドック受診入院者に対しCAVIを計測済みである)。 1)以上の研究計画について当大学の倫理審査委員会の承認を得た。 2)平成16年から平成28年までに測定したCAVIデータベースの構築作業を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30-平成31年度に以下を実施する。1)研究対象者からの同意:大学附属病院の人間ドック受診入院者で、年齢が40から70歳代の男女約200名に対し、研究計画について説明し研究参加の同意を得る。研究対象集団A:大学附属病院の人間ドック受診入院者で、年齢が40から70歳代の男女約200名。研究対象集団B:研究対象集団Aの中でCAVIを測定済みの約50名。2)人間ドック:対象者について人間ドックを行い、下記の問診、身体計測、血液検査、CAVIを測定する。 *)問診:健康状況や内服治療の有無、喫煙や飲酒状況、身体活動量など、身体計測:身長、体重、腹囲、収縮期血圧、拡張期血圧など、血液検査データ:総コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド、血糖、ヘモグロビンA1c、TMAO(血漿)、BNP(血漿)など、血圧脈波検査装置(VS-1500AN、フクダ電子株式会社製):CAVIとAnkle Brachial pressure Index 平成32年度に以下を実施する。1)分析データベースの構築:人間ドックのデータ*)を収集し入力の上、研究対象集団Bの過去CAVIデータも追加し、分析データベースを完成させる。その後最終的な精度管理を行う。2)データ解析:TMAO値とBNP値およびTMAO値とCAVIとの関連について、他の交絡因子を調整した多変量解析によって分析する。さらにTMAO値とCAVIの平均年間変化量との関連も分析する。3)研究成果の発表(学会発表と論文作成)
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Causes of Carryover |
来年度以降に予定される血液検体検査費用が高額なこともあり今年度の旅費を抑えた。
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