2017 Fiscal Year Research-status Report
潜水・潜函作業現場における酸素普及状況と減圧障害予防効果の解明
Project/Area Number |
17K09145
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
森松 嘉孝 久留米大学, 医学部, 准教授 (40320163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 宏 久留米大学, 医学部, 准教授 (10321861)
大坪 仁 久留米大学, 医学部, 講師 (30320188)
石竹 達也 久留米大学, 医学部, 教授 (60232295)
合志 清隆 琉球大学, 医学部附属病院, その他 (90195660)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 健康診断 / ダイビング / 高血圧 / 三尖弁閉鎖不全 / 喫煙 / 慢性閉塞性肺疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際潜水教育科学研究所およびダイビングショップASHIBEE BLUEのホームページにて被験者を募集し,平成29年10~11月,港にてかに聞き取り調査を行ない、海峡にあわせて国頭郡恩納村・嘉手納町,名護市本部町のずれかにて潜水前のバイタルサイン測定と心臓超音波検査を行った。被験者総数27名(男女比18:9),平均年齢42.3歳(20~70歳),喫煙歴有20名(74.1%),無7名(25.9%),喫煙者の平均Brinkmann Indexは148.9(SD±202.77),平均潜水歴22.2年(SD±11.4),平均インストラクター歴は16.6年であった。潜水前の平均収縮期血圧は128.4 mmHg(SD±17.08),平均拡張期血圧は80 mmHg(SD±12.89)で,日本高血圧学会ガイドラインによる診察室高血圧基準に合致した被験者は9名(33.3%)で,被験者全体に締める割合は重症1名(3.7%),中等症2名(7.4%),軽症6名(22.2%)であった。重症例以外はこれまで健康診断にて高血圧を指摘されたことはなく、更にこの重症例は心臓超音波検査にて軽度の三尖閉鎖不全が指摘された。平均脈拍77.3/分(SD±12.48),平均SpO2 97.9%(SD±1.30)で,末梢血酸素飽和度が96%以下であった被験者は3名であった。この3名には喫煙歴を認めるも,これまで慢性閉塞性肺疾患を指摘されたことはなかった。なかでも44歳の被験者は末梢血酸素飽和度が94%と低値で、労作により容易に頻脈となっていたことから、基礎に呼吸器疾患が存在する可能性が高いが、自覚症状がないため、自身が有病者である可能性に対する危機感は全く持っていなかった。【これまでにわかったこと】沖縄県におけるインストラクターダイバーは喫煙率が高く,就労前の高血圧が33%、末梢血酸素飽和度が低値の事例もみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一般的に用いられている圧縮空気ボンベを用いた潜水については、十分な被験者数が確保できたと思われる。簡易聞き取り調査、潜水時のバイタルサイン、心臓超音波検査についても検討に値するデータを収集することができた。一方、心臓超音波検査における心腔内気泡の検知頻度が予想よりも低かったが、これはインストラクターダイバーマニュアルにある安全な潜水方法を潜水プロトコールに選んだことが原因であり、問題とはならなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は得られた唾液・尿中において、ストレスホルモンをELIZA法によって測定し、どのような背景の時に、どのようなストレスホルモンが上昇するのかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
本研究は当日の海況に左右されるため、予定していた日程に台風の影響 を受け、海に潜られない日程が生じた。このため、オープンウオーター(実際の海)で事件を行う前に、室内潜水プールにて機器の動作確認を含めた予備実験を行った。
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Research Products
(5 results)