2018 Fiscal Year Research-status Report
潜水・潜函作業現場における酸素普及状況と減圧障害予防効果の解明
Project/Area Number |
17K09145
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
森松 嘉孝 久留米大学, 医学部, 准教授 (40320163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 宏 久留米大学, 医学部, 助教 (10321861)
大坪 仁 久留米大学, 医学部, 講師 (30320188)
石竹 達也 久留米大学, 医学部, 教授 (60232295)
合志 清隆 久留米大学, 医学部, 客員教授 (90195660)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インストラクターダイバー / 喫煙 / 減圧障害 / 治療用酸素 / 酸素減圧 / 呼気一酸化窒素 / ストレス / 素潜り漁 |
Outline of Annual Research Achievements |
少ないアンケート数ではあるが、沖縄県のインストラクターダイバーでは喫煙率が高く、治療用酸素に関して認知度が高かったという結果をまとめ、これは原著論文として九州高気圧医学雑誌へ受領された。一方、減圧障害における緊急時酸素取り扱いに関する見解が、厚生省医政局Q&Aの結果として商業誌等に掲載された。繰り返し潜水に関する実地調査については、初年度にインスタラクターダイバーよりデータが得られ、本年度は追加データの取集を行った。また、新たに恩納村ダイビング協会会長とのコンタクトに成功し、今後、協会に所属するインストラクターダイバーに関して、実際にゲストダイバー同伴中のインストラクターダイバーに関するデータ提供の協力を取り付けた。一方、減圧障害に関する研究においては、減圧障害症例数が日本最大である沖縄南部徳洲会病院高気圧治療部、沖縄県の救急医療の中心である浦添総合病院救急部、並びに沖縄県立中部病院より、今後、減圧障害患者における前向き研究の依頼を行い、今後はデータ、並びに検体を提供していただけることとなった。素潜り漁の現状については、2018年8月、三重大学海女研究センターを訪問し、本邦において最も素潜り漁師の数が多い三重県鳥羽志摩地区における海女振興協議会より研究協力の確約をいただいた。なお、9月には南アフリカダーバンにて開催された3大陸(ユーラシア、オセアニア、アジア)合同国際潜水カンファランスへ出席し、最新の潜水研究情報を入手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インストラクターダイバーの生活背景が明らかとなり、繰り返し潜水における呼気一酸化窒素のこれまでにない知見が得られた。一方、治療用酸素の使用に関する認知は概ね得られていたが、治療用酸素の設置の完全普及はまだであることがわかった。減圧障害の解明に関してはデータが不足しており、今後は、実際の減圧障害患者におけるデータや検体が必要である。素潜り漁の現状に関しては、海外における情報は得られていないが、海女振興協議会という本邦で最も素潜り漁師の数が多い地域より研究協力が得られた。この鳥羽志摩地区には、季節によって韓国からの海女が漁を行っているため、こちらから海外素潜り漁の情報が得られる可能性がある。以上より、情報収集と実地調査は当初の計画通りであることから、上記区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
治療用酸素普及については、今後もインスタラクターへの講習へ盛り込むと同時に、学会や論文にて積極的に啓発して行く。また、よりストレスがかかる状況下において、インストラクターダイバーの生体情報を得る必要があり、減圧障害事例におけるデータの入手を目指す。また、素潜り漁師における生態調査と比較検討することで、潜水における生体反応がさらに解明されるものと思われる。
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Causes of Carryover |
次年度、本研究の結果を国際学会にて発表し、論文化する際に英文校正等のための費用が必要なことから、当該年度研究の一部を、大学講座費にて行いました。このため、次年度使用額が生じました。
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Research Products
(5 results)