2017 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病網膜症の予防を目指した脂肪酸摂取との関連解析:眼科疫学コホート研究
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17K09150
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
佐々木 真理子 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (60276342)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病網膜症 / 糖尿病黄斑浮腫 / 多価不飽和脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
(研究背景と目的)近年、糖尿病網膜症患者は増加しており、また、就業年齢に重度の視力障害を来たし高額な医療費を要するため、患者本人だけでなく医療経済的にも問題となっている。糖尿病患者への食事指導は内科的には必須なものであるが、糖尿病網膜症の独立した因子としての食品因子の関連の報告は少ない。本研究では、脂質異常症や循環器疾患、糖尿病合併症に対してすでに有効性が報告されている多価不飽和脂肪酸の糖尿病網膜症への影響を、大規模疫学コホート研究による眼科検診データを用いて明らかにする。本研究により、将来的には、網膜症発症予防としての食事指導だけでなく、網膜症予防治療薬の開発への応用が期待できる。
(研究計画と方法)一般住民検診・眼科検診のデータを用い、眼底写真より判定した国際重症度分類による糖尿病網膜症の重症度、光干渉断層計の画像データより判定した黄斑浮腫と、食品摂取頻度調査票より抽出した脂肪酸摂取量との関連を明らかにする。
(29年度の計画と実績)初年度である29年度は眼底写真を用いた網膜症の重症度判定と光干渉断層計による黄斑浮腫の判定までを目標としていた。眼底写真の読影は予定より早く終了したが、黄斑浮腫の画像判定は実施方法を変更し、網膜厚データベース作成を先に行うこととした。眼底写真読影データのデータベース作成、集計を先行して進めており、これよりわが国では近年報告が少ない糖尿病網膜症の有病率が算定でき、有用な情報になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
29年度の予定であった、糖尿病網膜症国際重症度分類(American Academy of Ophthalmology分類)に基づく、眼底写真を用いた糖尿病網膜症の重症度分類は、1年以上かかると思われたが、研究協力者が多く集まったため、予定より早く終了した。他方、予定されていた、光干渉断層計による黄斑浮腫判定は、用意できる器械の台数や、ソフトの起動時間などを考えると、全例の判定は難しいことが判明し、網膜厚と糖尿病歴データから、対象者を絞り込み、判定を行うよう計画を変更した。そのため、現在は網膜厚データのデータベース作成を先行して行っている。研究計画変更により、予定通りに計画は終了しなかったが、30年度に充分取り戻せると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策)現在30年度の予定であった網膜厚のデータベース作成を先行して行っており、作成後、基準値を決めて対象者を抜き出し、光干渉断層計画像の精査を進めていく。対象者の試算によれば、本年10月までに完了する。その他、眼科検診データベース作成も並行して進めていく。30年度に予定されていた、食品摂取頻度調査票からの栄養素の抽出は国立がん研究センターの担当者がすでに進めており、データの整備ができ次第、統合データを構築する。
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Causes of Carryover |
(理由)29年度に解析用の統計ソフトと光干渉断層計用のソフトを申請したが、前述の如く、画像解析を次年度に変更したため、購入しなかった。また、画像解析の人件費も同様に計画を変更したため使用しなかった。これらの理由で一時、余剰金が生じた。 (使用計画)29年度に予定していた画像解析を30年度に行う際に、予定通り、ソフトを購入、人件費に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Gender-specific association of early age-related macular degeneration with systemic and genetic factors in a Japanese population2018
Author(s)
Sasaki M, Harada S, Kawasaki Y, Watanabe M, Ito H, Tanaka H, Takeuchi A, Tsubota K, Takebayashi T, Nishiwaki Y, Kawasaki R
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Journal Title
Scientific Report
Volume: 8
Pages: 785
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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