2019 Fiscal Year Annual Research Report
The prevalence of Helicobacter pylori infection by birth-year and transmission route in Japanese born from 1936 to 2003
Project/Area Number |
17K09153
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
渡邉 美貴 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (60773695)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ピロリ菌感染率 / 若年者 / ピロリ菌感染様式 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本多施設共同コーホート研究岡崎研究の参加者とその家族を対象とした。参加者は607人(211人の家族を含む)で、血清ピロリ菌抗体、血清ペプシノゲン、除菌、胃がん既往歴よりピロリ菌感染の有無を判定した。感染の有無を判定できなかった4人を除外した603人を解析対象とした。 出生年別感染率(95%信頼区間)は、出生年1950年代44.1%(35.8-52.5)、1960年代33.1%(27.3-38.9)、1970年代28.0%(18.3-37.8)、1980年代13.5%(4.2-22.7)、1990年代15.5%(6.2-24.8%)、2000年以降0%と、出生年が若くなるほど感染率は低かった。 子供と参加した母親94人、父親32人と子供の感染については、母親の感染ありは44人でそのうち子供に感染ありは13人(29.5%)に対して、父親の感染ありは9人で子供に感染ありはいなかった。このことから、家族内感染では父親よりも母親からの感染が疑われた。 母親と参加した子供120人を母親の出生年より1936-1963年、1964-1973年に分け、母親の感染、1幼少期の飲料水・便所、母親の習慣などの感染要因について検討した。母親の出生年1936-1963年の子供64人のうち感染ありは15人(23.4%)で、母親の感染(p <0.001)、汲取り式便所の使用(p =0.018)で関連があった。母親の出生年1964-1973年の子供56人のうち感染ありは6人(10.2%)で、関連のある要因はなかった。 感染要因と考えられる幼少期の井戸水の飲用や汲取り式便所の使用は非常に低くなっており、今後は感染要因とならないと考える。残る家族内感染についても、若い世代の母親や子供の感染率の低下から、日本人におけるピロリ菌感染率は今後も減少し続けると考える。
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