2018 Fiscal Year Research-status Report
造血幹細胞移植の予後に対するHLAと非HLA遺伝子の相互作用の効果の解析
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17K09158
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
高橋 秀和 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90450402)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 疫学 / 遺伝学 / 免疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、血液疾患患者に対する造血幹細胞移植の予後に影響を与えるHLA遺伝子以外の遺伝子多型を見いだすことにより、移植時のドナー選択法や移植後の予後の予測を改良することである。研究期間の2年目にあたる平成30年度は、初年度に続いて日本骨髄バンクを介して2006年から2009年に非血縁骨髄移植を受けたドナー・レシピエント約1000ペアのDNA検体を用いて、合計6つの遺伝子多型の解読を行った。解読にはTaqManアッセイを用い、一部の検体についてはさらにDNA配列直接決定(サンガー法)も行った。その後、主にR言語を用いた統計解析を行った。まず、これらの遺伝子多型の頻度がハーディー・ワインバーグの法則に従っていることを確認した。その後、これらの多型と骨髄移植の予後との統計的有意な関連の有無を調べた。調べた移植予後は、2級以上急性GVHD(移植片対宿主病)・3級以上急性GVHD・慢性 GVHD・広範性慢性GVHD・全死亡・原疾患再発・非再発死亡・好中球生着である。統計解析手法にはFineとGrayによる競合リスク比例サブハザード回帰やCox比例ハザード回帰などを用い、有意水準は0.005とした。その結果、昨年度報告した遺伝子多型以外とは別に、2級以上急性GVHDと関連した遺伝子多型を1個、3級以上急性GVHDと関連した遺伝子多型を1個、原疾患の再発と関連した遺伝子多型を1個それぞれ同定した。これらの結果については今後原著論文として発表していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
倫理審査の手続きへの対応に時間がかかったため、当初の予定よりも論文作成が遅れている。ただし、解析については当初の計画よりもやや進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者が年度末に異動したこともあり、旧所属先の研究者2名を研究分担者に追加した。得られた結果についてできるだけ早く論文化したいと考えている。
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Causes of Carryover |
倫理的な手続きへの対応などによって本来予定していた論文作成が次年度に行うことになった。論文英語校正費用・論文投稿料・論文掲載費用を次年度に使用することとした。
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