2021 Fiscal Year Research-status Report
造血幹細胞移植の予後に対するHLAと非HLA遺伝子の相互作用の効果の解析
Project/Area Number |
17K09158
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
高橋 秀和 岡山理科大学, 獣医学部, 准教授 (90450402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邉 剛 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80260678)
山口 奈津 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40450671)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分子疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞移植は白血病などの血液疾患の根治療法の1つである。本研究では、非血縁骨髄移植を受けたドナー・レシピエントの遺伝子多型と移植予後の統計的関連を解析して、移植予後の予測やドナー選択に有用な非HLA遺伝子多型を同定することを目的としている。これまで、研究代表者の異動やコロナ禍により研究とりわけ論文化が遅れていた。今年度は、研究代表者を筆頭著者とする以下の論文1本を出版することができた(Takahashi H, Okayama N, Yamaguchi N, Nomura M, Miyahara Y, Mahbub MH, Hase R, Morishima Y, Suehiro Y, Yamasaki T, Tamada K, Takahashi S, Tojo A, Tanabe T, Analysis of Relationships between Immune Checkpoint and Methylase Gene Polymorphisms and Outcomes after Unrelated Bone Marrow Transplantation, Cancers, 13, 2752, 2021.)。この論文では、動物実験において骨髄移植予後との関連が認められているがヒトでの疫学的解析が今までにあまり報告されていない遺伝子や一塩基多型について、ヒトの移植予後との関連を統計解析した。その結果、これらの一塩基多型は移植予後と統計的有意に関連しておらず、HLAミスマッチとの交互作用も検出されなかった。したがって、移植予後予測やドナー選択に有用な遺伝子多型は見出せていない。しかしながら、解析した遺伝子はがん免疫において重要な役割を果たすものが多く、その一塩基多型と造血幹細胞移植予後の関連を調べたことには意義があったと考えている。ヒトで移植予後と関連する一塩基多型がなかなか見つかりにくい理由の可能性として、非HLA遺伝子の影響がHLAと比べて強くないことや、ヒトのドナー・レシピエント背景の多様性などが考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の異動先でのコロナ禍における業務負担増大により、論文作成等に十分な時間を割くことができなかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
さらなる論文発表をできるだけ速やかに行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究代表者のコロナ禍での業務負担増大により、論文の発表や作成等のための経費を使用しきれなかった。この予算は次年度に使用する計画である。
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Research Products
(1 results)