2018 Fiscal Year Research-status Report
医師の業務バランスの見直しによる働き方の改善に関する研究
Project/Area Number |
17K09166
|
Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
野原 理子 東京家政大学, 家政学部, 准教授 (30266811)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | physicians / action checklist / university hospital / work duties / workload |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大学病院の医師の業務内容を精査し、専門領域や経験年数による多様な医師の働き方について、臨床・教育・研究・自己研鑽・病院運営などの業務を、実施バランスの観点で評価し、経験年数や診療科等により類型化し、類型別に働き方のモデルを提示する。モデルを基に、臨床業務のみでなく、医師として働くために必要な自己研鑽や教育および研究をバランスよく実施するためのセルフマネジメントの方法を提示、普及することを目的とする。 平成30年度は、平成29年度に実施したアンケート調査の結果をまとめ、大学病院勤務医の業務負荷および業務改善に関する認識について論文を作成した。アンケート結果では直接患者と対面して行う業務はすべての年代で半数以上が業務量に問題はないと回答していた。一方、患者と対面していない業務については、特に若い年代の多くが業務量を多いと回答していた。病院の運営や教育に関する業務や研修については50代以上で多いと回答が多かった。研究については多くが実施機会が少ないと回答していた。 また、平成30年度は、病院の国際認証の受審のためにはじめられた様々な取り組みについて、医師の業務負荷が増大しないような実施方法をグループで検討していくこととした。これまで国内でいくつかの病院が国際認証を受審しているが、審査のために様々な指標を作成し、それらを改善するためのPDCAサイクルを回さなければならず、新たな業務が追加されている。新たな業務を効率よく、あるいはこれまでに実施していたものを活用することなどで実施できるよう検討を開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度から進捗が遅れていたが、平成30年度に前職を退職し、新たな職場に移ったことにより、新職場にて再度倫理委員会の審査を受けなければならなかったことでさらに遅れている。また、職場が変わったことで環境整備や新規業務などに非常に多くの時間と労力を要し、当初の予定通りに研究を進めることができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでよりも研究の実施時間などを確保したいと考えているが、移籍後2年目であり、これまでの遅れを取り戻すことは難しいと考えている。平成30年度に実施予定だったアクションリサーチ(病院の国際認証の受審のためにはじめられた様々な取り組みについて、医師の業務負荷が増大しないような実施方法をグループで検討していくことなど)を平成31年度に実施し、成果のまとめと普及は翌年度に実施したい。平成30年度下半期からはアルバイトの雇用もでき、研究環境も整いつつあるため、精力的に研究を進めていきたいと考えているが、研究期間の1年間の延長を検討している。
|
Causes of Carryover |
平成30年度に前職を退職し、新たな職場に移ったため、倫理審査などの再審査があり、研究再開が大幅に遅れてしまった。そのためアルバイトの雇用が9月からとなってしまい、平成29年度に引き続きアルバイトの雇用費用が当初の予定よりも少なかった。次年度は研究を加速させるために、アルバイトの勤務頻度を増やすなどする予定である。
|