2020 Fiscal Year Research-status Report
医師の業務バランスの見直しによる働き方の改善に関する研究
Project/Area Number |
17K09166
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
野原 理子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30266811)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 医師の働き方 / 医療勤務環境 / 業務バランス / アクションチェックリスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大学病院に勤務する専門領域や経験年数の異なる多様な医師の働き方について、臨床・教育・研究・自己研鑽・病院運営などの業務を実施バランスの観点で自己評価した結果を、経験年数や診療科等により類型化し、類型別に働き方のモデルを提示する。モデルを基に、臨床業務のみでなく、医師として働くために必要な自己研鑽や教育および研究をバランスよく実施するためのセルフマネジメントの方法や勤務環境改善策を検討することを目的とした。2020年度は東京都内の大学病院に書面及び口頭にて調査協力依頼を行い、調査協力の同意を得て調査を実施した。調査期間は2020年10月1日から2020年11月6日とした。調査票の配布数は1173部、回収数は675部で回収率は57.5%であった。回収した675部すべてを有効回答として解析対象とし、有効回答率は57.5%であった。すべての年代、職位の医師から回答が得られた。20代ではどの業務もほどよいと回答したものが多い傾向にあり、30代では間接臨床業務とその他の業務を多いと感じているものの割合が高く、それらを改善すべきとするものも多かった。また改善の実施者は病院全体と考えているものが多かった。40代では同様に間接臨床業務、運営とその他の業務を多いと感じており、間接臨床業務、その他の業務を改善すべきとするものの割合が高かった。50代60代ではその他の業務を多いと感じているものが多く、改善希望も多かった。また、30代以上のすべての年代で研究を少ないと感じているものが多く、改善希望の割合も高かった。研究については他の業務と異なり、改善を自分自身で行うべきとするものが最も多かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2017年に採択されたのち、2018年4月に東京家政大学に異動し、2020年7月には東京女子医科大学に異動したため、それぞれでの倫理委員会への申請など研究環境整備に時間を要した。さらに2020年はCOVID19の感染拡大により、医療機関への立ち入りが厳しく制限され、予定していた調査を実施することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに収集したデータを用いて論文作成を行う。2021年度もCOVID19の影響により医療機関での調査に制限があることから、追加の調査は行わずに研究成果をまとめる。
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Causes of Carryover |
2020年度はCOVID19の蔓延により、医療機関内での調査ができなかったため、調査費用およびアルバイト人件費の支出がなかった。2021年度も同様に医療機関内での調査が困難と考えられるため、取得済みのデータから成果をまとめるため、論文作成および投稿のための諸費用として残金を支出する予定である。
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