2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a sheet-type diffusion passive sampler as a wearable device
Project/Area Number |
17K09173
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
宮内 博幸 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (90784025)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | パッシブサンプラ- / ACF / 化学防護服 / 透過試験 / 個人ばく露測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学物質を使用している作業場において、防護衣の効果を把握して必要な対策を立てることは、経皮曝露による健康への影響リスクを減らすために重要である。しかし、実際の作業時における防護性能についての報告は少ない。本研究では、一般的に使用されている作業服、防護服等について、開発したシ-ト状サンプラ-を使用して実際の有機溶剤取扱い作業時における防護性能を評価する方法について検討し、適切な防護服の選択について考察することを試みた。 試験方法として試験対象防護服は白衣、作業服、化学防護服Ⅰ、化学防護服Ⅱとした。外側と少しずらした内側位置にシート状のサンプラーを8箇所ずつ貼り付け、30分間のトルエン取扱い作業時のトルエン捕集量を分析した。 外側に対する内側の捕集量比を求めた結果、白衣、作業服、化学防護服Ⅰ、化学防護服Ⅱの8箇所平均捕集量比は各々、67.2%、75.8%、6.0%、8.2 %であった。白衣や作業服に比べて化学防護服のトルエンに対する防護性能は高かった。ただし、化学防護服は透過し難い素材であるにも関わらず、僅かながらも内側にトルエンが捕集されたことより、襟や袖口、裾、ファスナ-部等と人体との隙間から外気が流入した可能性も推測された。テープを用いた目張りなどで外気の流入を遮断する工夫も必要と考えられた。本シート状サンプラ-を使用した研究により防護衣の防護効果の実態が初めて解明され、今後の労働衛生管理への応用に大きく寄与すると言える。
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