乳幼児のアレルギー遷延化と樹脂（プラスチック）原料複合曝露との関係

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 17K09174
• Research Institution: University of Occupational and Environmental Health, Japan
• Principal Investigator: 辻 真弓 産業医科大学, 医学部, 教授 (40457601)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 川本 俊弘 産業医科大学, 医学部, 名誉教授 (60177748) ; 荒木 俊介 産業医科大学, 医学部, 講師 (20515481) ; 石原 康宏 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 准教授 (80435073) ; 柴田 英治 産業医科大学, 医学部, 准教授 (90419838)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 小児 / 化学物質 / アレルギー

Outline of Annual Research Achievements

【目的】樹脂（プラスチック）は我々の生活に最も身近な物質であるが、このような樹脂に含まれる化学物質の曝露が小児のアレルギー遷延化に影響を及ぼしている可能性がある。今まで樹脂（プラスチック）原料化学物質特異的IgG抗体値と小児の食物特異的抗体の関係に着目した研究を行った。また昨年度は小児の食物特異的抗体と関係の認められたBADGEとBADGE水解後のBADGE水和物(BAGDE・H2O, BAGDE・2H2O)の生体試料中濃度測定方法を創出した。コロナ禍により測定を依頼していた機関の試料受け入れ中止、今後の測定も行わないことが決定したため、今年度は新たに同様の測定方法で濃度測定を行うことのできる協力機関を決定し、結果の再現性の確認を行うことした。
【方法】測定方法の再現性の確立ができるか否かを新協力機関の協力者とともに検討した。
【結果】HPLC-MS/MSを用いてBADGE、BAGDE・H2O、 BAGDE・2H2O、BFDGEの濃度を測定した結果、旧協力機関と同様に測定できることが分かった。
【考察】新型コロナ流行により、研究機関への訪問禁止、試薬の欠品などが相次ぎ、濃度測定が年度途中でストップし、加えて今後一切の測定受け入れ中止が決定したため、新協力機関での測定を開始する準備を行うことになった。今後新協力機関へ生体試料中の送付を開始する。結果が得られたら、今までの化学物質抗体値、アレルギー既往、BADGEとBADGE水解後のBADGE水和物(BAGDE・H2O, BAGDE・2H2O)濃度の関係を明らかにする予定である。
【結論】HPLC-MS/MSを用いて新協力機関において旧協力機関と同様に測定系を確立することができた。生体試料中の化学物質濃度、化学物質抗体値、アレルギーとの関係を明らかにする必要がある。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナ流行により、研究機関への訪問禁止、試薬の欠品などが相次ぎ、濃度測定が年度途中でストップし、加えて今後一切の測定受け入れ中止が決定したため、新協力機関を探す必要性が生じた。またさらに新協力機関での測定開始準備を行うことを余儀なくされたため。

Strategy for Future Research Activity

新協力機関が決定し、旧協力機関と同様の測定が行われることを確認した。R3年度からは生体試料を送付できる準備が整っている。協力研究機関の部外者受入れ状況も新型コロナ流行の状況によって刻一刻と変化するため、臨機応変に計画を見直しながら、今一層、分担研究者と密な連絡を取り合うようにする。

Causes of Carryover

新型コロナ流行により、研究機関への訪問禁止、試薬の欠品などが相次ぎ、濃度測定が年度途中でストップし、加えて今後一切の測定受け入れ中止が決定したため、濃度測定を行うための新協力機関を探す必要性が生じた。新協力機関決定後もいきなり旧協力機関と同様の測定は開始できないので、その測定開始準備を本年度行ったために助成金の使用が予定通り行えなかった。次年度は新協力機関において測定が開始されるため、助成金が予定通り使用される予定である。