2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of active-rest by workplace units on increasing the work productivity among workers
Project/Area Number |
17K09175
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
道下 竜馬 福岡大学, スポーツ科学部, 准教授 (10632028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姜 英 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教 (70637595)
大和 浩 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (90248592)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 産業保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで,職場での軽運動やストレッチの実践,人間工学的作業改善が筋骨格系障害の改善やストレス軽減に効果的であることが報告されているが,作業姿勢が長時間固定される旅客運送業従事者(タクシーやバス運転手)に対するアクティブレストの導入が腰痛軽減やプレゼンティーズムの改善に有効であるか否かは明らかにされていない。2019年度は,タクシー運転手に対するアクティブレスト(10分間の集団運動)の導入が腰痛軽減とプレゼンティーズムの改善に及ぼす効果について検討した。 慢性腰痛を有する男性タクシー運転手32名を対象とし,事業所単位で運動介入を行う群[運動介入群(n=18)]と介入しない群[観察群(n=14)]に分類した。運動介入は10分間の体操を出勤日の就業前後または休み時間に行い,介入期間は10週間とした。本研究で実施した運動は,メタボリックシンドロームやロコモティブシンドロームの予防,運動実践のきっかけづくりを目的に考案した体操であり,からだほぐし運動~有酸素運動~レジスタンス運動~柔軟運動を10分間という短時間に実施できる運動プログラムである。両群ともに介入前後に運動機能測定(30秒椅子立ち上がり,閉眼片脚立ち,座位体前屈),腰痛,労働機能障害(WFun)に関して調査した。 10週間後,両群ともWFunの有意な改善は認められなかった。一方,30秒椅子立ち上がり,座位体前屈,腰痛,殿部・下肢痛の程度,JOA-BPEQスコアの疼痛関連障害は運動介入群で有意に改善した(p<0.05)。また,運動介入群における運動参加回数は,座位体前屈の変化量と有意な負の相関関係を認めた(r=-0.583,p=0.011)。 本研究の結果より、短時間であっても職場で運動を行うことは,タクシー運転手の脚筋力や柔軟性向上,腰痛軽減に有効であることが明らかとなった。
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