2020 Fiscal Year Research-status Report
環境化学物質によるドーパミン神経系疾患のDOHaD仮説検証
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17K09180
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
石堂 正美 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (60211728)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 遺伝継承毒性 / ADHDモデル / CNV |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでに明らかにされてきた環境化学物質によるドーパミン神経系に起因する2つの行動毒性の関連性をDOHaD仮説に基づき検証する。昨年までの結果を踏まえると、DOHaD仮説検証の中で、化学物質の単回曝露の毒性影響は数世代まで及ぶかどうかを見ることが重要になってくる。そのために以下の実験を実施した。 妊娠ラット(E7)に銀ナノ粒子(4 mg/kg)を曝露した。銀ナノ粒子の曝露はその後一切行なわない。生まれてきた仔が4週齢に達してからSupermex(室町機械(株))を用いて自発運動量の測定を開始した。防音箱の明暗は12時間サイクルに設定した。 生まれてきた多動性障害のラットは、1.4~1.5倍の多動性が亢進していた(F1)。同様な交配を施し、F4においても多動性は同程度保持されていた。 こうして得られた多動性障害ラットより遺伝子を単離し、CNV(Copy number variants)を明らかにした。その結果、多くのCNVが染色体1~20番に渡って見られた。例外は、染色体5, 7 12 19にはCNVは検出できなかった。CNVは増殖、欠損の両タイプが見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝継承毒性が実証されるとともになるとともに、CNVの存在が明らかになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究においても多動性障害ラットのゲノムに多様なCNVが存在することが明らかになった。従って、これらのCNVが pathogenicか否かを明らかにすることが最大の目標になる。
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Causes of Carryover |
国内外の学会が相次いでwebミーティングになったことが当該助成金が生じた理由です。一方、研究が順調に進み次の段階に進める状況であり、その遂行に助成金を充てる予定です。
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Research Products
(2 results)