2017 Fiscal Year Research-status Report
フィリピン国における産褥期の母親の健康状態と家族の役割に関する研究
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17K09189
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 眞理 東北大学, 医学系研究科, 助教 (90755886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山田 信子 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40250807)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 産褥期 / 母親 / 父親 / メンタルヘルス / 感染予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
フィリピンの中で貧困層が多い地域において出産後の母親が家庭の中でどのような産褥期を過ごし,父親含むキーパーソンが行っている支援を明らかにするという本研究目的を遂行するために,平成29年度は研究に関わる準備と,先行して実施していた調査研究のまとめを行った。 フィリピン国の調査地域であるビリラン島Caibiran地区を訪問し,事前調査として,出産後6週間以内の母親のいる家庭を訪問し,出産後の母親の生活状況,児のケア状況,母子を支援する家族の状況,医療機関に期待する事項について観察と簡単な聞き取りを実施した。出産後は実の母親が主たる支援者であること,全員の母親が母乳育児を実施していたが,低出生体重児の母親は,母乳が不足していることを考えミルクを追加していたこと,自宅に戻った後は保健センターの関わりがほとんどないことが明らかになった。感染予防としては,児を毎日沐浴していること,臍帯のケアは乾燥法で行っていたことがわかった。訪問時父親が不在の家庭が多く,父親からの聞き取りは出来なかった。ヘルスセンターの助産師2名に対して簡単な聞き取り調査を行った。出産後の母親のメンタルヘルスに関しては,ほとんど問題は無いということが意見として出された。 本研究に繋がる研究として昨年度に実施していた,小児肺炎と診断された5歳未満の父親に対し,父親の役割をどのように認識し,どのような経験をしていたのかをインタビュー調査していたデータについて内容分析を行い,論文にまとめ投稿した。1回目の査読後に修正を提出し,現在結果を待っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度前半は研究の実施基盤づくりの期間として,研究に関わる準備を実施することを計画していた。フィリピンカウンターパートとメールをベースに意見交換を実施し,研究代表者は6月に調査地を訪問し,ヘルスセンターに勤務する助産師と,出産後6週間以内の母親から簡単な聞き取り調査と意見交換を実施し,研究準備を行った。 後半はカウンターパートと調整を行ってきたが,主要カウンターパートが多忙であり調整が難しく倫理審査書類提出まで至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書についてフィリピン側の合意と倫理審査にかかる期間の見通しがなかなかたてられず,他地域で同様の調査研究を実施することも視野に入れている。候補地はインドネシアであり,昨年度研究者が訪問した折に,東北大学と提携校であるインドネシアの大学側との共同研究申し入れがあり,今年5月に訪問し,研究について話し合いを持つ予定にしている。大学側は,学生も含めて研究を協力してくれる姿勢があり,フィリピンでの不明な実施予定を待つ以上に研究が進められる可能性がある。 並行して,フィリピンをベースにこれまで実施してきた研究成果をまとめ,それを基に再度フィリピンカウンターパートと意見交換を行い,倫理申請を速やかに進行できるようにしていく予定にしている。
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Causes of Carryover |
当初計画では2018年2月にフィリピンを訪問しフィリピン側研究者と研究プロトコールについて話し合いを持ち,倫理申請準備を実施する予定であたったが,フィリピン側研究者が他ワークショップ等などで不在であり,その機会を持つことができなかったことにより,計画よりも遂行額が少ないことになった。
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Research Products
(1 results)