2020 Fiscal Year Annual Research Report
Ideal Community and Society Which Elderly People Living Alone Demand- Mixed Methods Research
Project/Area Number |
17K09200
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
井階 友貴 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (10554777)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢者保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、平成29年度より【1】独居高齢者の考える「地域のつながりや支え合いへの期待」の探索(インタビュー調査1)を実施、福井県高浜町在住の65歳以上の独居高齢者を対象に、スノーボールサンプリングで半構造化インタビューを実施、その内容をICレコーダーで録音し逐語録を作成して解析してきた。解析にはCharmaz(2000)が提唱するConstructivist Grounded Theory(CGT)approachを用いた。結果、令和元年度は6名を対象にインタビューを実施し、理論的飽和に達した。独居高齢者の「地域のつながりや支え合いへの期待」にみられた特異的な要素として、「社会的支援に頼らない普段通りの生活」、「地域社会における独居者の役割の確保」が認められた。また、その他、独居高齢者に非特異的な要素として、「地域社会における仲間意識」、「緊急・非常時の支援」といった要素も認められた。 これらをもとに、【2】家族状況や他の「健康の社会的決定要因」と健康アウトカムについてのコホート調査を準備し、高浜町在住の65歳以上の高齢者(独居高齢者含む)全数(3010サンプル)について令和元年度に実施した。「地域のつながりや支え合いへの期待」に関連する「友人・知人と会う頻度の高い者の割合」が、ベースライン調査に比して各年代で2.1%~14.4%上昇していることが明らかとなり、この指標が優れている者ほど「社会的支援に頼らない普段通りの生活」、「地域社会における独居者の役割の確保」「地域社会における仲間意識」、「緊急・非常時の支援」の要素に関連する項目「要介護度」「社会的役割の有無」「地域への愛着」「看護・介護者の有無」との関連が深かった。 以上より、独居高齢者の特異的/非特異的な「健康の社会的決定要因」を明らかにすることができた。
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