2018 Fiscal Year Research-status Report
産後うつ病の発症と自律神経機能の関連に関する妊娠期からの前方視的研究
Project/Area Number |
17K09201
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江川 美保 京都大学, 医学研究科, 助教 (50600061)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 英治 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10544950)
上田 敬太 京都大学, 医学研究科, 助教 (60573079)
古川 壽亮 京都大学, 医学研究科, 教授 (90275123)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 産後うつ病 / 自律神経機能 / 心理尺度 / ストレスマーカー / データベース構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
産後うつ病の増加とその子どもへの影響が現在社会的に大きな問題になっており、妊娠期からの切れ目のない母親へのメンタルへルス支援が求められている。周産期医療や母子保健事業のフィールドでは、主に心理社会的リスク因子の評価や本人への自記式質問票に表れる抑うつ・不安症状の把握に基づいて専門的医療や 生活支援介入の要否が判断されており、本人のリスク状態を直接表したり介入の効果を判定できたりする客観的定量評価方法は今のところ存在しない。そこで生理的指標の一つとして心拍数パワースペクトル解析による自律神経機能を評価項目に設定し、心理的尺度との相互の関連を検討することにより育児に影響を及ぼす女性特有のメンタル疾患の発症の予測因子や早期発見のサインを検出するための方法を明らかにする目的で京都大学病院産婦人科の妊産婦を対象とした縦断的研究を計画した。 診療のフィールドにて前向き調査を行うにはマンパワーと組織的な取り組みを要するため、対象者リクルートやデータ収集を開始する前に、まず医療情報と研究データのデータベース構築を進めた。また客観的指標として当初から想定していた生理的指標としての自律神経機能以外に体組成分析項目、さらに生化学的ストレスバイオマーカーも評価項目に追加することを着想し、生体試料の扱いや評価するストレスバイオマーカーの選定、測定方法について調整を行った。各種質問紙調査についても紙媒体からICTを用いたデジタル入力のシステムに転換した。 このように縦断的前向き研究の基盤的環境を整えたことで、研究協力者リクルートとデータ収集の効率化が期待できる。平成31年度春からリクルートを始動する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
質問紙調査のICT化やデータベース構築など、研究の基盤的環境を整えることを優先し、それに時間を要した。生化学的ストレスバイオマーカーも評価項目に加える計画変更を行ったため、その測定方法に関する調整も必要であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査のICT化やデータベース構築の構造をもった研究プロトコールを作成したので、リクルートとデータ収集の効率化および研究参加者の負担軽減が見込まれる。倫理委員会での審議を経て承認されたら、直ちに研究参加者リクルートを開始するが、当初考えていた方法より同意率の上昇が期待できると考えている。
|
Causes of Carryover |
平成30年度中に研究参加者リクルートを開始することができなかったため、参加者への謝金や研究補助員の雇用にかかわる費用を使用することがなかった。これらを繰り越して使用する。
|