2020 Fiscal Year Research-status Report
The Effects of Negative Life Events on Mental Health and Frequency of Going Out in Elderly People.
Project/Area Number |
17K09203
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
藤田 幸司 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40463806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 幸子 文京学院大学, 人間学部, 准教授 (10550840)
藺牟田 洋美 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (60250916)
藤原 佳典 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (50332367)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 閉じこもり / ライフイベント / 介護予防 / 喪失体験 / 高齢者保健 / 精神保健 / 喪失体験 |
Outline of Annual Research Achievements |
秋田県A町B地区において、65歳以上95歳未満2273人を対象に実施した初回調査(2018年4月~6月に実施)に回答した在宅高齢者1,322人(要介護3~5を除く)のうち、死亡28人、介護施設入所3人、転出1人を除く1,291人を対象に追跡調査を2020年4月に実施した。調査は健康推進委員による配布,回収は郵送によって実施し、1,050人から回答を得られた(回収率81.3%)。初回調査時に閉じこもり(外出頻度が週1回以下)およびデータに不備があった223人を除く790人について、高齢期におけるネガティブ・ライフイベント(Negative Life Events: NLE)の、メンタルヘルスおよび外出頻度に及ぼす影響を明らかにする目的で分析を行った。追跡調査時の閉じこもりの有無を従属変数に、初回調査時の性、年齢、同居者の有無、NLE5項目(①身近な人の喪失、②自身の病気やけが、③家族の病気やけが、④経済的に厳しい状況になった、⑤役割の喪失)、抑うつ傾向(K6)、健康度自己評価を説明変数とした多重ロジスティック回帰分析を実施した。なお、本研究の実施にあたっては、文京学院大学倫理委員会の承認を得た。2年後の閉じこもり発生率は、男性10.1%、女性17.1%で男女差があった(p<0.01)。多重ロジスティック回帰分析の結果、 2年後の閉じこもり発生の予測因子として有意であったのは「抑うつ傾向」のみであり、性・年齢を調整したオッズ比は,抑うつ傾向あり(vs. なし)3.37(95%信頼区間1.62-7.01)であった。NLE5項目は全て2年後の閉じこもり発生とは有意な関連が認められなかった。抑うつ傾向の高齢者は閉じこもりになりやすく、予測因子であることが示唆されたが、高齢期のNLEについては今回の調査分析では関連がみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染症の感染拡大による影響により、調査地域において調査結果を地域住民に報告するなどができなかった。また、分担研究者との打ち合わせに支障をきたしたことから、学会報告ができなかったり、研究論文の執筆に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、分担研究者と綿密な打ち合わせ等を行い、研究成果の論文化、学術雑誌への投稿を行う。
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Causes of Carryover |
成果報告のための学会発表がコロナ禍でできなかったことや、論文投稿にかかるネイティブチェックなど費用がなかったことから、次年度使用額が生じた。 次年度は、学会発表や論文投稿を行い使用する。
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Research Products
(1 results)