2017 Fiscal Year Research-status Report
The research in Principles of Terminal Care for Foreigners living in Japan
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17K09207
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
前野 真由美 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (70342087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 竜太郎 常葉大学, 健康科学部, 准教授 (50347184)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 在住外国人 / 在留外国人 / 終末期ケア / 緩和ケア / エンドオブライフ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、静岡県在住外国人が考える終末期ケアを明らかにし、外国人を含む地域住民と共に、在住外国人の尊厳ある終末期ケアを見出すことである。 平成29年度は、静岡県中部在住外国人を対象に行う無料検診会(以下、外国人無料検診会)に受診した20歳以上の外国人を対象に、治る見込みのない疾患になった場合を想定した終末期ケアに関する無記名式質問紙調査を行った。調査項目は、厚生労働省終末期医療に関する調査等を参考にした。①想起する人生の終末期の疾患や状況、症状、症状に対するケア、②本人の決定(事前の意思表示の書面作成の有無、告知の有無とその方法)、③大切なことや療養の際の心配事、④希望する医療(医療用麻薬使用の有無、延命措置の希望の有無等)、⑤希望する療養の国、葬儀や埋葬の場所。質問紙の言語は7言語、①英語、②フィリピン語、③インドネシア語、④中国語(簡体語)、⑤スペイン語、⑥ポルトガル語、⑦日本語。翻訳と逆翻訳(back-translation)は、医療通訳経験者が行った。 外国人無料検診会受診の20歳以上外国人114人に質問紙を配布。回収は96人。質問紙の3分の1以上記入した93人を分析対象とした。1.国籍は計17か国。多い順からフィリピン、中国、インドネシア、ブラジル、ミャンマー。2.年齢は37.1±12.2歳。3.宗教は多い順から、キリスト教、イスラム教、仏教。4.医療保険加入者は77人。5.職業は、仕事ありが46人。6.緩和ケアについて知っている15人。7.想起する人生の終末期の疾患や状況は「自然災害(地震など)」。症状は「痛み」。症状に対するケアは「祈り」。8.「事前の意思表示の書面作成」は賛成。告知は「知りたい」。その方法は「家族に同席してもらって」。9.一番大切にしたいことは「家族」。療養の際の心配ごとは「お金」。10.療養の国は「母国」。葬儀は「母国」。埋葬は「母国」。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的は、静岡県在住外国人が考える終末期ケアを明らかにし、外国人を含む地域住民と共に、在住外国人の尊厳ある終末期ケアを見出すことである。 目的達成のために3つの段階を設定している。段階1. 静岡県中部在住外国人を対象に行う無料検診会(以下、外国人無料検診会)に受診した外国人を対象に治る見込みのない疾患になった場合を想定した質問紙調査を行い、在住外国人が考える終末期ケアを明らかにする。段階2.段階1.から得られた結果を基に、地域住民(医療関係者、医療通訳者、在住外国人、外国人支援者)参加型ワークショップを行い、在住外国人の終末期ケアの方向性を見出す。段階3.段階1.2.から得られた結果や意見、方向性から「日本で暮らす外国人終末期ケア」に役立つ小冊子を作成する。 平成29年度は、段階1.の外国人無料検診会に受診した20歳以上の外国人を対象に、治る見込みのない疾患になった場合を想定した終末期ケアに関する無記名式質問紙調査を行うことができた。現在、次の①~⑤の結果を考察している。①想起する人生の終末期の疾患や状況、症状、症状に対するケア、②本人の決定(事前の意思表示の書面作成の有無、告知の有無とその方法)、③大切なことや療養の際の心配事、④希望する医療(医療用麻薬使用の有無、延命措置の希望の有無等)、⑤希望する療養の国、葬儀や埋葬の場所。 日本国際保健医療学会第33回東日本地方会に演題を申し込みをした。多様な方々、多様な分野の方々から意見を頂けるよう努めている。また、第33回国際保健医療学会総会においても、意見を頂けるよう、分析、考察を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的は、静岡県在住外国人が考える終末期ケアを明らかにし、外国人を含む地域住民と共に、在住外国人の尊厳ある終末期ケアを見出すことである。 平成30年度は、平成29年度行った質問紙調査の結果を基に、地域住民(医療関係者、医療通訳者、在住外国人、外国人支援者)参加型ワークショップを行い、在住外国人の終末期ケアの方向性を見出す予定である。平成31年度は、平成29年度、平成30年度の研究から得られた結果から「日本で暮らす外国人終末期ケア」に役立つ小冊子を作成する予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度は研究の進行に若干の変更があり、少額次年度に繰り越しとなった。平成30年度の予算と共に執行予定である。
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