2017 Fiscal Year Research-status Report
医療機関と介護保険施設間の連携促進と安全確保を目的とした患者情報共有ツールの開発
Project/Area Number |
17K09214
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
藤田 茂 東邦大学, 医学部, 講師 (50366499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 邦愛 東邦大学, 医学部, 講師 (50288023)
北澤 健文 東邦大学, 医学部, 助教 (30453848)
瀬戸 加奈子 東邦大学, 医学部, 助教 (50537363)
長谷川 友紀 東邦大学, 医学部, 教授 (10198723)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 病病連携 / 病診連携 / 介護保険施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療安全上の効果のある施設間の患者情報共有の方法について医中誌WebおよびPubMedを用いた文献調査を実施した結果、和文論文51件、英文論文7件(英文論文は直近3年分)を得た。 和文論文にはエビデンスレベルの高い文献が少なく、研究のアウトカムに臨床上の指標を用いた文献が少ないことが明らかにされた。大腿骨近位部骨折の連携パスの使用群は、未使用群と比較し、退院後の反対側の骨折の発生率が有意に低いこと等が確認されているが、他の地域連携パスまたは連携手帳については、在院日数の短縮は認められるものの、臨床上のアウトカムの改善との関連を示すものは見当たらなかった。英文論文では、Transitional care interventionsの導入群は、非導入群と比較し、死亡率や再入院率、救命受診率が有意に低いことが確認された。また、施設間のテレビ会議と診療情報提供書の項目別記載率についても、死亡率と関連していることが確認された。英文論文では、施設内の患者情報共有に関する研究が多く、施設間の患者情報共有に関する研究は少なかった。 施設間の患者情報共有の情報項目について医中誌Webを用いて文献調査を実施した結果、和文論文46件を得た。現在内容を取りまとめている。 上記のほか、第19回日本医療マネジメント学会学術総会(仙台、平成29年7月)および第18回日本医療情報学会学術大会(大阪、平成29年11月)において関連情報の収集に努めた。EHRにおいて医療機関と介護保険施設との患者情報共有が進んでいないこと、医科と歯科との連携については、一部のEHRにおいて先進的な取り組みが行われていること等が判明した。 今後は、これらの情報の取りまとめと、介護保険施設の連携担当者等へのヒアリングを通じ、患者情報共有に必要な情報項目の特定と、それを用いた全国調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献調査に労力がかかり、その結果を基にした介護保険施設等の連携担当者へのヒアリングが進んでいない。医療安全に関する指標をアウトカムとしたエビデンスレベルの高い文献が少なく、文献調査の労力に比して、得られた情報が少なかったことが影響している。
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Strategy for Future Research Activity |
病院と介護保険施設間の患者情報共有に必要な情報項目の特定のため、8月までに介護保険施設の連携担当者を対象としたヒアリングを3件前後実施する。平成29年度の情報収集でベストプラクティスと思われる取り組みを数件特定しているが、地方のヒアリングは1件程度にし、都内の施設でのヒアリングを優先する。その結果と文献調査の結果を基に、全国調査の調査票を開発し、ヒアリング対象者の意見を踏まえ、10月~12月を目処に郵送法による全国調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
文献調査に労力がかかり、介護保険施設等の連携担当者へのヒアリングが遅れている。繰越金を用い、平成30年度に介護保険施設等の連携担当者を対象としたヒアリングを実施する。
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