2019 Fiscal Year Research-status Report
医療機関と介護保険施設間の連携促進と安全確保を目的とした患者情報共有ツールの開発
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17K09214
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
藤田 茂 東邦大学, 医学部, 講師 (50366499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 邦愛 東邦大学, 医学部, 准教授 (50288023)
北澤 健文 東京家政大学, 健康科学部, 准教授 (30453848) [Withdrawn]
瀬戸 加奈子 東邦大学, 医学部, 助教 (50537363)
長谷川 友紀 東邦大学, 医学部, 教授 (10198723)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 医療安全 / 地域包括ケア / 医療介護連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
介護保険事業者と他の事業者との間の利用者・患者情報のやりとりに起因する事故・ヒヤリハットの実態を明らかにすることを目的として、2019年2月に全国の介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設(老健)、訪問介護サービス事業者(訪介)、訪問看護サービス事業者(訪看)から、各1500事業所を無作為に抽出し、郵送法によるアンケート調査を行った。2019年度は、調査データの整理と解析を行った。 調査票の回収率は15%(911/6000)であった。最近3年以内に、他の事業所との利用者・患者情報の交換・提供の不足や不備に起因した事故やヒヤリハットを経験した割合は、全体27%、特養29%、老健27%、訪介17%、訪看33%であり、訪介が他の群より有意に低かった。事故・ヒヤリハットの起因となった情報は、多い順に薬剤(事故・ヒヤリハットを経験した回答者の内の35%)、認知症・社会認識(同24%)、利用者に関する情報(同24%)、感染症(同23%)であった。老健と訪看は薬剤の情報、特養と訪介は感染症の情報に起因する事例が最も多かった。施設事業者は訪問事業者よりも、認知症・社会認識の情報に起因する事例が多かった(同37%、14%、P<0.01)。エラーの形態は、必要な情報の未伝達が大部分を占め、誤った情報(古い情報や不適切な評価結果)の伝達は少なかった。利用者・患者への健康影響は、与薬漏れによる状態悪化や乾癬の拡大、誤嚥・窒息、転倒などが認められた。 今後もデータの解析を継続し、学会での発表を行うとともに、次の研究に繋げて行く。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査データの解析は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年10月に開催予定の第22回日本医療マネジメント学会学術総会(京都)において、研究成果の一部を発表する予定である。 引き続き得られたデータの解析を進める。
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Causes of Carryover |
海外の学会での学会発表を予定していたが、演題の不採択により渡航を取りやめたため、その予算が余った。 調査データの解析を継続しており、次年度使用額は、データ解析に必要な消耗品の購入と、研究成果の学会発表の旅費等に使用する。
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