2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の化粧品を使った自立的なスキンケア習慣が精神健康と日常生活動作に及ぼす効果
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17K09218
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永柄 真澄 九州大学, 農学研究院, 学術研究員 (90524843)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | QOI(Quolity of Life) / 化粧習慣 / 自己尊厳性 / 抑うつ症状 / 日常生活動作 / 高齢者福祉施設 / 疫学調査 / 比較対照試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
【疫学調査】H29年度(2017年7月~8月末)に佐賀県で実施した高齢者の化粧品の使用に関する疫学的実態調査のデータ解析を行い、その成果を国内学会にて発表した[日本介護学会25回大会(於熊本市):発表テーマ「高齢者のスキンケア習慣の継続をめぐる要因―入所型高齢者施設への疫学調査より」]。①介護職員数が多い施設の方が、洗顔や入浴の回数が少なく、大規模施設ほど、介護職員の負担度とは相関なく、回数が減らされている。②入所者の化粧品の使用に関する施設側の関与には、介護職員の負担度が関係しており、多くの介護施設で、洗顔料やスキンケア化粧品については、個人まかせの方針をとっている。現状では、身体、認知機能の低下などで自分でできなくなった場合、スキンケアは消滅する可能性が高い。という報告を行った。それらの内容は論文としてもまとめており、社会医学系の国際雑誌への投稿準備を行っている。 【介入試験】入所高齢者への介入試験への協力について承諾のあった佐賀県内の高齢者介護施設に、入所高齢者対象プログラムを実施し、入所高齢者への介入試験を実施した。試験群に該当する対象者が、当初予定の1施設当たり5名より大幅に少なく(1~3名)、また体調不良や入院などによる途中脱落者も発生したことから、1人当たりの介入期間を3か月間に短縮(ベースライン調査→1ヶ月調査→3ヶ月フォローアップ調査)し、参加者募集期間と試験実施期間を延長し、平成31年2月にすべての試験を終了した。最終参加者は、化粧介入群22名(平均年齢±標準偏差:80.3±10.4歳)、コントロール群23名(85.4±8.8歳)、化粧継続群25名(83.8±7.5歳)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
佐賀県で実施した高齢者の化粧品の使用に関する疫学的実態調査(2017年7月~8月末)は、ほぼ予定通りに実施できている。その成果発表については、学会発表は行っているが、論文発表については、執筆は終了しているが投稿作業が遅れている状況である。 介入試験は、試験群に該当する対象者が、当初予定の1施設当たり5名より大幅に少なく(1~3名)、試験期間中に体調不良や入院等で脱落する参加者も現れたことから、1人当たりの介入期間を3か月間に短縮(ベースライン調査→1ヶ月調査→3ヶ月フォローアップ調査)し、参加者募集期間と試験実施期間を延長した。平成31年2月にすべての試験を終了したが、介入試験の期間延長によって、データ確定の時期が大きくずれ込むこととなり、その後の解析と成果のまとめ作業も遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
・研究1(疫学調査)の成果発表について、論文執筆は終了しているが投稿作業が遅れているため、早急に専門分野の学術雑誌に投稿し、研究報告をすすめる。 ・研究2(介入試験)については、早急にデータ整理と解析を進め、介護分野を含む医学系の学会における発表と国際雑誌への投稿を目指し、成果をまとめていく。 ・研究1と研究2の総合的な成果発表として、図書「入所型高齢者介護施設のQOLの実態とスキンケア習慣による自立支援」(課題)の出版を行う。
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Causes of Carryover |
介入試験の試験群に該当する対象者が、当初予定の1施設当たり5名より大幅に少なく(1~3名)、試験期間中に体調不良や入院等で脱落する参加者も現れたことから、1人当たりの介入期間を3か月間に短縮(ベースライン調査→1ヶ月調査→3ヶ月フォローアップ調査)し、参加者募集期間と試験実施期間を延長した。介入試験の期間延長によって、予定していた研究時間とエフォートをそちらに費やすことになり、本年度は、予定していた成果発表を十分に行うことができなかった。H30年度に予定していた成果発表のための出張費用は、H31年度支出予定の論文投稿(もしくは図書出版)費用と合わせ次年度に支出する予定である。
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