2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の化粧品を使った自立的なスキンケア習慣が精神健康と日常生活動作に及ぼす効果
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17K09218
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永柄 真澄 九州大学, 農学研究院, 学術研究員 (90524843)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | QOI(Quolity of Life) / スキンケア習慣 / 自尊感情 / 幸福感 / 自己ボディ・イメージ |
Outline of Annual Research Achievements |
【施設調査】H29年度(2017年7月~8月末)に佐賀県で実施した施設入所高齢者のスキンケアに関する調査の内容については、英語論文にまとめ、国際雑誌に受理された。( The Journal of Nursing Home Research Sciences 2021; 7: 9-12.) 主な成果は、①入所型高齢者施設における入所者の洗顔回数や入浴回数は、介助の要・不要による違いはなく、介護職員数と負の相関があり、職員数の不足との関連性は認められなかった。②入所者のスキンケア化粧品の使用についての施設の方針は、施設介護職員の負担と関連し、入所者のスキンケアを個人任せにする施設は、職員の負担が重いことが示された。施設調査の成果を、介入調査研究の成果(論文)の参考文献とする予定である。
【介入試験】佐賀県で実施した施設介入研究については、平成31年2月にすべての調査を終了した。その成果について、まず国際医学会EuGMS(The European Geriatric Medicine Society)にてポスター発表を行った(EuGMS Congress 2019, Krakow, Poland)。主な成果は、①スキンケア継続群のみに、自己ボディ・イメージの有意な上昇がみられた。②有意な差ではなかったものの自尊感情及び幸福感はスキンケア継続群のみ上昇した。③FIM(機能的自立度評価法)の認知項目では、対照群が得点の低下を示したのに対し、スキンケア継続群は維持をしていた。本成果は、高齢者のスキンケアの継続が、自尊心と生活の質を維持するために重要であることを示した。 当該内容を論文にまとめており、国際医学雑誌に投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査研究の成果については、医学系国際雑誌に論文が受理されたが、その後の介入試験については、試験期間中の施設側の希望で試験期間の延長を余儀なくされ、当初の計画に遅れを生じた。そのため、試験結果のまとめ及び論文執筆にも遅れが生じることとなった。論文原稿はほぼ完成し、投稿先雑誌の選定もしているので、これから論文投稿を急がなくてはならない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
・介入研究の成果については、すでに論文を完成し、投稿先雑誌も選定し、準備ができており、掲載まで雑誌とのやり取りを続けていく。 ・論文発表が最優先であるが、疫学研究と介入研究の成果をさらにまとめ、国内外の学会においても、機会を見つけて発表していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
論文執筆作業が遅れたため、論文の校正費用、投稿費用としての使用額が次年度に持ち越しすることとなった。
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