2018 Fiscal Year Research-status Report
うつ病のサブタイプ分類を可能にするスクリーニングツールの開発
Project/Area Number |
17K09219
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Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
中山 繁生 米子工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90300607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 伸也 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00441569)
岩田 正明 鳥取大学, 医学部, 准教授 (40346367)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | うつ病 / サブタイプ分類 / スクリーニング / タブレット端末 / ウェアラブル端末 |
Outline of Annual Research Achievements |
心の病として知られるうつ病の罹患者数は,年を追う毎に増加傾向にある.うつ病の中には,衝動性が高く自殺行動を伴うケースもあるため,早期での診断は必要不可欠である.最近では,簡単な問診によるうつ病のスクリーニングが可能になっており,中でもインターネットを利用しているケースもある. うつ病の中には,発症してから兆候が表れるまでが長期に及ぶものもあり,初見で具体的な診断を行うことは極めて困難を伴うケースもある.さらにうつ病は「単極性障害」,「双極性障害」,「気分変調」など症状に応じてサブタイプに分類される.このサブタイプ分類が可能となれば,罹患者に対する的確な治療が可能となる.しかし実際には症状の程度や発症するまでの期間に個人差があり,サブタイプ分類は困難とされている. 本研究は,うつ病のスクリーニングとサブタイプの分類を目的として,初診では診断が困難なうつ病の症状を,機械学習によりスクリーニングを行うツールを開発する.ここで機械学習には,タブレット端末から入力される問診データを用いる.さらに,うつ病の罹患者の運動機能の変化に着目し,カメラなどの外部デバイスによる体の運動データも機械学習に用いる. 本研究ではこれまでに,体の特定部位の変位データより,歩行時における腕の振り角,振りの周期,姿勢の傾き角度を検出し,機械学習に用いる特徴パラメータの抽出を行った. 平成30年度は,Beck Depression Inventory(BDI)に基づくうつ病スクリーニング用のアプリを開発し,複数の被験者に対してのスクリーニングを実施した.また,被験者の運動状態の検出を目的として,メガネ型のウェアラブル端末を導入し,被験者の俯き姿勢を検出した.そして,アプリによるスクリーニング結果と,ウェアラブル端末による被験者の運動状態に基づく総合的なうつ病のスクリーニング方法を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,スクリーニング用アプリを開発した.ウェアラブル端末により検出したデータに基づく機械学習方法については継続して検討中ではあるが,ウェアラブル端末からの被験者の運動状態の検出が可能となり,今後の機械学習に用いる特徴パラメータの抽出が可能であることから,目標は概ね達成したと自己評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,開発したアプリによるスクリーニングを多くの被験者に対して実施する.また,うつ病のサブタイプ分類が可能となるように,問診データと運動状態データによる特徴パラメータより,機械学習手法の確立を目指す.以上の研究をまとめ,得られた知見について,国内外の関連学会で発表を行う予定である.
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Causes of Carryover |
学会への参加準備が年度内に整わなかったため,旅費に未使用額が生じた.また,協力機関との打ち合わせ時期を変更したことで,これに関連する旅費と人件費に未使用額が生じた.与えられた研究費の範囲内でより効率的な使用に努めた結果,研究費に未使用額が生じた.
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