2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of objective indicators for elderly patients receiving chemotherapy.
Project/Area Number |
17K09225
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
滝沢 牧子 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70613090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 憲史 群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (10292583)
小磯 博美 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (00516403)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢者評価 / フレイル / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
抗癌剤治療により利益を受ける高齢がん患者とそうでない患者を治療開始前に評価することは安全で質の高い医療を提供するために重要である。65歳以上の悪性リンパ腫と診断され、初回化学療法を受ける患者を前向きに登録し、客観的データ(アルブミン値,eGFR,腸腰筋筋肉断面積積和)を用いた新しい高齢者のリスク評価法を開発することを目的に研究を開始した。同時に、従来の高齢者評価質問票による評価を実施し、比較した。 登録症例数60症例、年齢平均74.3歳(65-86歳)、男性23例、女性37例。中断または死亡をイベントとして無イベント生存率に寄与する因子について解析を行った。単変量解析(logrank検定)では、eGFRcr-eGFRcys、血清アルブミン値、PS0で有意差が認められたが、筋肉量(腸腰筋体積/体表面積)やCGAスコアには有意差を認めなかった。eGFRcr-eGFRcys値は筋肉量、アルブミン値、PS0と相関を認めた。CGAはいずれも単変量解析で有意差を認めなかった。治療中断の理由は、感染、心不全、病状進行、治療抵抗性などであった。 高齢悪性リンパ腫患者の、治療選択においては、死亡のみでなく有害事象等による治療中断は望まないアウトカムをもたらす可能性の高い重要なイベントである。今回、少数例の検討であるが、治療前に簡便に測定できるeGFRcr-eGFRcys値は、フレイリティ評価に有用である可能性が示唆された。今後、より多数例での検討や他の癌腫でも同様の結果が得られるか、検討が望ましい。
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