2019 Fiscal Year Research-status Report
血小板機能に対する交代勤務の影響~交代勤務者の心脳血管障害リスク低減をめざして
Project/Area Number |
17K09227
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中尾 倫子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30597216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大門 雅夫 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80343094)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 血小板機能 / 血液型 |
Outline of Annual Research Achievements |
日中勤務と夜間勤務とを繰り返す交代勤務は、心血管および脳血管障害の発症リスク増加と関連していることが報告されている。心血管および脳血管障害での血管内血栓形成には、血管内皮機能障害や血小板機能の活性化が大きく関わっている。2017年度から2018年度にかけて、申請者は交代勤務に従事する健常医療従事者を対象とした研究で、血清中のトロンボキサンB2(強い血小板凝集を引き起こすトロンボキサンA2の代謝産物)濃度が夜間勤務によって有意に上昇することを確認した。このことから、夜間勤務によって血小板感受性が亢進する可能性が示唆され、交代勤務者の勤務体系の適正化に向けての基礎的検討になったと考えている。 過去の文献から、心血管障害や脳血管障害を発症する危険性は、O型と比較してO型以外の血液型において、約10%高いということが報告されている。 以上のことから、夜間勤務による血小板感受性亢進には、血液型によって影響をうける可能性があると仮定した。夜間勤務者の中には、健常人のみでなく、基礎疾患(弁膜症や虚血性心疾患など)をもった勤務者も存在する。本年度は基礎疾患を持った患者での血小板機能と血液型の影響について調査した。弁膜症患者を対象として血小板機能を測定し、うち19名の解析を行った。O型(6名)と非O型(13名)の間で、血小板惹起物質添加下の血小板凝集能および自然凝集能を比較したが、両群間に有意差は認められなかった。対象者の人数が少ないため、今後は人数を増やして調査する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年7月から2020年1月まで、研究代表者が利き腕である右手首を負傷したため、採血手技が実施できなくなり、当初の実験計画が大幅に遅延した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、基礎疾患に高血圧、糖尿病、虚血性心疾患をもった患者にも血小板機能を評価する。
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Causes of Carryover |
2019年7月から2020年1月まで、研究代表者が利き腕である右手首を負傷したため、採血手技が実施できなくなり、当初の実験計画が大幅に遅延したため。
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Research Products
(4 results)