2017 Fiscal Year Research-status Report
入院中の骨折および外傷性頭蓋内出血の予測モデル開発と追加的医療費算出
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17K09229
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鳥羽 三佳代 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, その他 (60463923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 睦子 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 特任講師 (40437570)
尾林 聡 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (10262180)
伏見 清秀 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50270913)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 転倒・転落 / 医療安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は入院後新規発生した病的骨折以外の骨折および外傷性頭蓋内出血症例の発生予測モデル作成とその検証、追加的医療費を1,000施設以上の急性期病院のDPCデータを用いて算出することを目的としている。入院後の新規骨折および外傷性頭蓋内出血の原因の多くは転倒・転落であると推測されることからこの研究は転倒・転落に起因する重大障害発生の予防につながることが期待される。初年度は、予備的調査研究として以下2つの研究を実施した。 1.研究代表者施設の診療報酬請求データを用いた入院後新規骨折症例、頭蓋内出血症例を検出し、その精度を安全管理レポートを用いて検証した。診療報酬データを用いた事例検出は感度は高い(骨折;87.5%,頭内出血;100%)ものの陽性的中率が低い(骨折;6.7%,頭内出血;3.4%)という結果になった。単施設における有害事象モニタリングに本手法を用いる際には、診療調査も併用することで陽性的中率を向上させることができることが明らかになった。 2.研究代表者施設の看護必要度データを用いた転倒・転落リスクスコアの開発 2016年10月からDPCデータのHファイルに格納されている看護必要度データを使用した、転倒転落リスクスコアの開発を行った。対象は単施設での検討であることから、転倒・転落に起因する重大障害症例数が少ないことから、全ての軽症から重症まで全ての傷害レベルを対象とした転倒・転落事例とした。ロジスティック回帰分析の結果から偏回帰係数が最も最小である「65~74歳」を基準に転倒転落リスクスコアを作成し、転倒転落リスクスコアの閾値を感度及び特異度が最大となる(70.3%,69.3%)2.4点としてROC曲線を作成た。AUC=0.75(p<0.01)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予測モデル作成の予備的研究として単施設での検討ではあるものの、診療報酬データと実際のインシデント発生状況との関連を明らかにすることができた。この結果から、診療報酬情報の限界・課題を明らかにすることができた。同時に診療報酬情報の可能性の発見にも繋がった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の検討を踏まえて約1,000の急性期病院におけるDPCデータを用いた分析を行う。入院中の新規骨折事例および外傷性頭蓋内出血事例の臨床疫学的特性を明らかにし、コントロール群を作成、リスクモデルの作成までを今年度の目標とする。
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Causes of Carryover |
初年度は研究代表者施設内のデータ分析が主となったため、研究に係る費用が当初予定よりも少なかった。本年度はDPCデータ調査研究班データを使用することから、データ購入費用、分析機材等に経費がかかる見込みである。
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Research Products
(2 results)