2018 Fiscal Year Research-status Report
ディープラーニング応用の医薬品相互作用シグナル検知システムの開発評価に関する研究
Project/Area Number |
17K09238
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
熊本 一朗 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (40225230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村永 文学 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (00325812)
宇都 由美子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (50223582)
岩穴口 孝 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (80619198)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 医薬品有害事象検知 / データマイニング / 自然言語解析 / Doc2Vec |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は過去の研究において、医薬品の相互作用による有害事象のシグナルを検知するシステムを開発し、そのアルゴリズムとして、ニューラルネットワークによる分析が、膨大な薬剤種であっても分析可能である等、実用的であることを見出した。本研究では、近年、人工知能として注目されている多層化ニューラルネットワーク(ディープラーニング)を、本システムのシグナル検知機能に応用し、さらなる改良を行う。 本年度は、電子カルテに医療従事者が入力した自由文記載より、医薬品有害事象のシグナル検知を行う手法の評価を実施した。具体的には、文章ベクトル化手法で看護観察記録を解析し、医薬品有害事象の発症を予知するシステムの開発を行った。本年度は、誤嚥性肺炎を対象とし、日本語の記録における効果的なパラメーター範囲の検証を行った。2013年から2017年にかけて鹿児島大学病院に入院し、誤嚥性肺炎を発症した患者の抽出。また、対照症例群もランダムに抽出を行う。得られた症例より、学習用データ、テスト用データ、評価用データの3群に分割。GenSimライブラリのDoc2Vecを用いて解析を行った。予備調査として、テスト用データを用いて、計算に使用する学習用データ数、繰り返し回数、探索パラメーター範囲の検証を行った。その後、評価用データの解析より、本手法の適合性を検証した。その結果、予備調査より、繰り返し試行数は8回、計算に使用するデータ数は上位9データと設定した。評価用データの調整パラメーター値は、size80、window13、min_count2のパラメーター値が最も適合性が高かった。最大となる感度・特異度において、感度は90.9%、特異度は60.3%となり、Doc2Vec手法によって自然言語処理解析の有効性を確認することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カルテ記載記事から有害事象の発生を予測する予備実験に成功し、学会発表を行うことができた。その結果を元に、医療従事者の自由記載より医薬品有害事象のシグナル検知を行えると思われ、研究は順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度おこなった誤嚥性肺炎の有害事象予見の技法を応用し、医薬品の有害事象としてよく発現するような症状を呈する症例データベースを作成し、その文書ベクトル類似性から、医薬品有害事象の発生を予見可能と考えている。
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Research Products
(2 results)