2019 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive search of anthropozoonotic bacteria isolated from oral cavities of therpy dogs and their owners
Project/Area Number |
17K09243
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
村松 康和 酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (50254701)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 口腔内細菌叢 / ヒューマン・アニマルボンド |
Outline of Annual Research Achievements |
MALDI-TOF MSシステム(MALDI Biotyper)により菌種レベルで同定された飼い主由来分離菌711株及びイヌ由来分離菌290株のうち、飼い主‐イヌの1ペアでStaphylococcus schleiferiが同定され、両者の16S rRNAシークエンスは100%一致した。このことから、一部の菌は生菌として伝播する可能性が示された。次世代シークエンサーによる細菌叢解析に基づく、飼い主口腔内細菌叢とイヌ口腔内細菌叢に関する解析結果から、飼い主の口腔内細菌叢は犬飼育歴のない人と比較して多様で、口腔内の主要な細菌ではなく、少数派の細菌種において飼い主とイヌとの間で共有されることが示唆された。以上のことから、飼い主の口腔内細菌叢は犬を飼っていない人と比較して多様性を有すること、及び飼い主‐イヌ間で細菌伝播が起こる事が示唆された。本調査においてもイヌ口腔内から人獣共通感染症細菌Bergeyella zoohelcumが検出され、本菌検出用培地作出に関する萌芽的知見を得た。 高齢化社会の進行に伴い需要が増加しているアニマルセラピーの中心的存在であり、人間社会で最も身近な伴侶動物である犬口腔内由来の感染症起因細菌を対象として、その分布状況とヒト口腔内細菌叢とも関連性を明らかにした。口腔内細菌叢は人の健康と密接にかかわることから、高齢化社会におけるQuality of lifeの維持向上に果たす役割は大きい。本調査結果によって、一時的な接触にとどまるアニマルセラピー対象者の口腔内へセラピードッグから細菌伝播が起こるリスクは低いことが示された。一方、免疫力の低下したヒトが主たる対象者であることから、アニマルセラピーにおける十分な衛生指導を行う必要性がある。
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