2018 Fiscal Year Research-status Report
Risk analysis and management of delayed reactions after autologous blood donation
Project/Area Number |
17K09245
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 啓二朗 岩手医科大学, 医学部, 特任教授 (30364342)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 自己血輸血 / 自己血採血 / 遅発性副作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.地域の医療施設で自己血採血にたずさわる看護師の実態調査 自己血採血後の遅発性副作用(DR)の看護方法を探索する基礎的知見として、岩手県内で自己血採血業務に携わる看護師の実態を無記名アンケートで調査した(回答15/19施設)。同採血に携わる看護師は67名で、7施設で専任者を定めていなかった。血管迷走神経反応(VVR)は6施設、DRは3施設で経験があった。看護業務は多岐にわたるが、DRの対応はなかった。研修機会は院内が1施設、院外が6施設だった。ほとんどの施設の看護師は静脈穿刺や採血副作用等に不安を感じていた。DRへの看護を推進するには、DRの認識を広め、業務の不安を減らす研修機会が必要であった。 2.自己血採血後DRに関する前方視的疫学調査研究 2.1. 本調査参加施設の看護師を対象としたワークショップ:本調査の参加施設は前項調査を行った病院から公募した(岩手県内4病院)。参加施設の看護師を対象に、本研究を説明と「安全な自己血輸血」に関するワークショップを行った(計3回)。そこではマニュアル整備・確認、手技の統一、環境整備、採血副作用の対応等が課題とされ、クリニカルパスの活用、学習会の開催、採血手技や採血副作用のオリエンテーション等が提案された。 2.2.自己血採血後DRに関する前方視的疫学調査研究:地域医療機関におけるDR発生率と危険因子を明らかにするために、前方視的疫学調査を前項4病院で開始した。調査対象は各施設で自己血採血され、本研究に参加同意が得られた患者とした。患者背景、初回採血時バイタルサイン、血算値、採血量と輸液量、VVR、採血後自覚症状と発生状況、患者満足度を調査した。採血直後の自覚症状はBlood donation reactions inventoryで、DRは前年度調査で報告された症状を6段階で調査した。本調査は平成30年11月から翌年12月末まで行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
疫学調査を実施するにあたり、共同研究機関での倫理委員会への申請やワークショップを含む説明会の調整に時間を要したため、調査の開始が当該年度後半にずれ込んでしまい、予定登録患者数の達成度に遅れをみる状況である。同研究は共同研究機関で順調に進められてはいるが、共同研究機関との連携を強化し、今後も調査対象者の確保に努めていく。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度も前方視的疫学調査研究を継続し、目標とする調査対象者の確保に努めていく。同調査の結果を集計・解析し、DRの予防と対処に関する看護方法の開発と検証につなげていく予定である。
|
Causes of Carryover |
当該年度の経費を効率的に運用したこと、自己血採血に携わる看護師の実態調査および自己血採血後遅発性副作用の疫学調査研究の開始が遅れたこと、また予定登録患者数の達成がやや遅れていることに伴い発生した未使用額である。平成31年度請求額に併せ、平成30年度から継続しているDRの前方視的疫学調査研究と次年度に計画しているDRの予防と対処に関する看護方法の開発と検証に使用する予定である。
|