2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K09246
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
加藤 尚子 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (70294858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 正英 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70334068)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地域医療連携推進法人 / 地域医療構想 / 私的病院 / 医療法人 / 病臥者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医療法人等の水平統合の観点から、実態調査に基づいて地域医療連携推進法人(以下、連携法人)の参加法人、業務内容、ガバナンスの初期のモデルを構築・吟味し、かつ、制度導入の趣旨に従った運営がなされるかどうかを検証することを目的とし、連携法人制度の創設年である2017年度から研究を開始した。研究当初は連携法人制度の発展経緯に沿って実態把握のための分析を進める予定だったが、2021年4月現在に至っても連携法人は23法人しか設立されておらず、当初の想定を大幅に下回ったため、悉皆調査等の研究方法も大きく見直しを行う必要が生じ、2018年度から研究計画を再検討して研究方法を変更した。 研究3年目である2019年度からは、連携法人が創設された地域特性を把握するための実態調査を行い、連携法人所在地の地域医療構想調整会議等の地域活動に参加し、関係者に対して聞き取り調査を行ってきた。 2020年度も引き続き、調整会議の参加と聞き取り調査を計画していたが、新型コロナウィルス感染拡大のために会議等は中止もしくは非公開となり、聞き取り調査も見送らざるを得なかった。 2020年度は、連携法人創設に至る病院の発展経緯と歴史的背景を探るため、裏付けとなる医療資源のデータ収集と定量分析を行った。具体的には、連携法人の前身として社会医療法人に着目し、1950年の医療法人制度創設からの病院の発展経緯を縦断的に分析した。また、医療機能分化の施策を検証するため、病臥者の居場所の変遷を追跡する分析を行った。さらに、2014年度医療施設調査の個票データを用いて日本の急性期病院の類型分析を行った。 急性期病院の機能別類型分析に関しては、研究協力者が論文を執筆し、近日中に学会誌に掲載予定である。機能分化施策の基本史料となる病臥者の居場所の変遷分析についても論文を執筆し、近日中に学会誌に掲載予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍において現地調査等による新たな情報収集が行えず、本研究の最終年度ではあるが研究成果を取りまとめることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り現地調査が難しい状況となり、計画の停滞を余儀なくされたため、2021年度に研究取りまとめの作業を行い、連携法人の創設初期のガバナンスモデルの構築を目指して研究を総括する。現地調査を実施し、医療資源の機能別配置の変遷を辿る縦断的分析を進め、これまでの研究成果をまとめて論文を執筆する。 新型コロナウィルス感染拡大で医療提供体制が逼迫し、急性期を担う公的病院の再編統合が停滞する現在、私的病院の再編にはさらなる困難が予想される。2025年の地域医療構想の達成に向けての私的病院の動向を分析する一環として、連携法人の発展経緯は注目に値する。連携法人を足がかりに、私的病院の地域における位置づけと機能分化・連携への反応を検討していきたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において新たな情報収集が実施できず、本研究の最終年度ではあるが研究成果を取りまとめることができなかった。2021年度まで延期して分析作業を進める必要があるため、次年度の使用額が発生した。
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