2017 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of immune response pattern dynamics using automated hematology analyzer scattergram data.
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17K09253
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
片岡 浩巳 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (80398049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
通山 薫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80227561)
三上 史哲 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 講師 (80550392)
松村 敬久 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (10274391)
久原 太助 高知大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (80457407)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | データウエアハウス構築 / 自動血球計数装置 / FCS / スキャッターグラム / SSMIX2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日常診療で最も頻繁に検査が実施されるCBC検査から得られるスキャッターグラムパターンの時系列的変化に対する診断や予後予測を目的とした知識データベースの作成とこの分野の研究者向けの利用環境の整備を目的とする。さらに、本研究で生成した知識データベースを基に、CBC検査により観察できる免疫応答のパターンダイナミクスの全容の解明を目指している。 初年度は、自動血球計数装置の内部で日々消去されていく大容量の計測生データの保存作業に加えて、病院情報システム側が持つ病歴、薬歴、検査歴、入院歴データなどの診療データの収集とデータベース構築のためのプログラム開発を行った。計測生データは、現在までに65万件のデータが収集されている。1件あたり約数万個の血球成分のデータで構成されたビッグデータである。このデータをFCS(Flow Cytometry Standard)フォーマットに変換後、スキャッターグラムパターンの特徴量の抽出と数値解析が可能なフォーマットに変換したデータベースを作成した。診療データに関しては、病院情報システムから出力されたSS-MIX2「厚生労働省電子的診療情報交換推進事業」のデータファイルから読み込むプログラムを開発しデータウエアハウスを構築した。 研究成果としては、赤血球のインピーダンス法とオプティカル法において、差異が生じるイベント前後では、末梢血中の老化赤血球の比率が推定可能で、赤血球寿命のダイナミクスを反映していることが解り、造血に関わる治療効果の判定や予後予測に応用可能であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型自動血球分類装置XN(Sysmex社)に保存されている計測生データのデータ収集および解析環境の構築の課題に対して、計測生データをFCSフォーマットに変換し、さらに解析可能なフォーマットのデータベースを構築するためのプログラム開発を行った。現在まで約65万件のデータ収集とデータ変換を実施したが、計測生データの取得は、分析装置が停止している間に手作業でバックアップを行う方法であるため、データ取得に手間が取られ若干の進捗の遅れが生じている。 検査業務使用している計測装置は、4台を並列運用での分析が行われるため、それぞれの装置毎にスキャッターグラムの計測精度の確認が必要と考え、各装置でパターンの系統的な誤差があるかを確認する目的で、スキャッターグラムの特徴量を計算するプログラムを開発し、計測器間の誤差が確認できる環境を整備した。 一方、病歴、薬歴、検査歴、入院歴については、病院情報システム側から出力されているSS-MIX2「厚生労働省電子的診療情報交換推進事業」のデータファイルを元にSQLを用いて解析可能なデータベースを構築した。SS-MIX2は患者毎のフォルダーにHL7のトランザクションファイルとして記録されるため、処理効率が悪い問題が生じている。特に、本研究のデータ収集施設におけるSS-MIX2は、データ更新履歴が記録される拡張ストレージに対応していないバージョンであったため、データ追加の差分の検知に時間を要する問題があった。そこで、効率的にデータ収集を行えるようにディレクトリスキャンプロセスとHL7からデータベースに変換するプロセスに分けた2つのプログラムを開発した。これにより3日遅れ程度で比較的効率良くデータ収集が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、管理上の問題から自動血球計数装置側のデータベースとSS-MIX2側のデータベースは独立したデータベースとして構築しているため、今後、両者を匿名化後にマッチングするのに必要なキーとなる依頼番号をハッシュ値に変換後、匿名化されたデータ間を連結して統合データベースを構築して研究を進める計画である。 時系列的なダイナミクスを捉える解析を効率よく実施するため、薬効マスターの整備と投薬クールイベントのインデックステーブルを作成するプログラムを開発し、網羅的にかつ高速に解析可能なデータベース基盤を構築する。
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Causes of Carryover |
(理由)本年度GPU コンピューティングプロセッサを購入予定であったが、為替等の影響で予算オーバーとなる懸念と、さらに高性能なGPU コンピューティングプロセッサが次年度入手可能であることから、本年度は並列計算処理のプログラム開発を重点に置き、購入は次年度予算と合算して購入する計画とした。 (使用計画)本年度購入したワークステーションは、データベース専用の処理装置と位置づけ、さらに、複数のGPU基板を搭載可能な専用の並列計算処理装置に、複数の高性能GPU基板を搭載することで、データベース処理と数値演算処理の分散を行うことが可能となり、当初の計画よりも数倍の計算能力を持った環境が構築できることが予想でき、ビッグデータを用いたパターンダイナミクスの究明に必要とされる膨大な計算を高速に実行可能となる見込みである。具体的には、次年度使用額157万円について、GPUを2基搭載したDeepLearning BOX(GDEP社)を用いて研究を進める計画である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Incidence of acute kidney injury among patients with chronic kidney disease: a single-center retrospective database analysis.2017
Author(s)
Hatakeyama Y, Horino T, Kataoka H, Matsumoto T, Ode K, Shimamura Y, Ogata K, Inoue K, Taniguchi Y, Terada Y, Okuhara Y.
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Journal Title
Clinical and Experimental Nephrology
Volume: 21(1)
Pages: 43-48
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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