2018 Fiscal Year Research-status Report
Development tools for post exposure follow-up and proactive preventive measures in occupational infectious diseases in terms of human recourse management for health care workers
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17K09256
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health,Japan |
Principal Investigator |
吉川 徹 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 過労死等防止調査研究センター, センター長代理 (50332218)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 針刺し切創 / エピネット日本版 / 労務管理 / サーベイランス / C型肝炎 / 血液媒介病原体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医療現場における針刺し切創事例データベース(針刺し切創DB)を活用した解析と医療施設における曝露後フォローアップ体制の実態調査を基礎資料として、血液媒介病原体へのばく曝露後サーベイランスツールの開発を行う。本ツールを試用することで、医療従事者の健康安全確保および職業性曝露事例の労災申請等の労務管理上の現行制度の課題を明らかにし、現実に即した労務管理支援のための学術的知見を得るものである。 平成30(2018)年度は、①昨年度に引き続き、エピネット日本版利用の1施設において針刺し切創の曝露後フォローアップの実態についてヒアリング調査を行なった。針刺し切創事例の記録(匿名化可能)と感染の有無を評価する曝露後のフォローアップ(匿名化は終了するまで不可)に関する個人情報管理の課題が指摘された。また、医療従事者の感染症罹患時の就業制限の法的な枠組について整理した(吉川徹、医療従事者が感染症を発症したらどうするの?-職員の健康管理と法令事項- INFECTION CONTROL 2019)。 (2)職業感染制御研究会を通じた針刺し切創事例に関する全国サーベイランス(JES2018)を実施した。解析されたデータについて、代表研究者が担当する解析部分について2019年度に公表する準備を進めた。また、論文として「年齢層別にみた医師と看護師における針刺し報告率の比較(平光ら、環境感染学雑誌 2019)を報告した。(3)米国等で先行して利用されている医療従事者安全センターが開発したBBPs Follow-up system (BBF)の翻訳版の作成について、国際安全センター日本支部と引き続き調整を行った。 他、「訪問看護ステーションで把握された針刺し損傷の全国調査(薬師寺ら2018)」など学会報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・職業感染制御研究会を通じたエピネット日本版を利用した全国サーベイランスについて、2017年に実施予定であったが、研究倫理に関するガイドラインが変更となり、新しいガイドラインにあわせて書類を作成し倫理審査を受けることに時間を要し、審査が2017年度後半になった。そのため、サーベイランス調査実施が2018年となった。 ・米国バージニア大学医療従事者安全センターが開発したBBPs Follow-up system (BBF)の翻訳版の作成について、米国の組織が変更になったことなどの影響を受け、調整を行っている。令和元(2019)年に版権等に関する調整を行う必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
・曝露後フォローアップツールの翻訳版のドラフトが、上述の理由により2018年度に間に合わなかったため、2019年度に完成させ、試用を開始する。2020年度まで一年延長を行い、評価期間を設けることでより確実な成果物を得る可能性が高まる。 ・一方、本年度に、医療従事者の感染症罹患時の就業制限の法的な枠組について整理したことで、曝露後フォローアップ体制の整理が進んだため、各施設における曝露後フォローアップツールの開発に、それらの知見を役立てる。 ・針刺し切創サーベイランスが2018年度に実施できたため、特に血液媒介病原体の調査結果を活用した解析を進め、曝露後フォロアップツールの開発に役立てる。
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Causes of Carryover |
・針刺し切創曝露後サーベイランスツールの米国版の翻訳作業が遅れたため。 ・2018年度中に計画した米国の国際安全センターへの訪問が延期となったため。
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Research Products
(4 results)