2020 Fiscal Year Research-status Report
硬組織からの薬物検出方法の開発と血中濃度との相関に関する研究
Project/Area Number |
17K09262
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
矢島 大介 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (60451754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 久子 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (10292674)
猪口 剛 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (20572580)
安部 寛子 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (40707204) [Withdrawn]
山岸 由和 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任研究員 (50834470)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨からの薬物検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
①今年度も継続して、骨以外に分析試料が採取できなかった事例について、骨抽出物からの薬物分析を行った。【今年度の試料収集】本学2事例、連携機関26事例の骨試料を採取した。【今年度の分析事例数】そのうち本学2事例の骨から薬物分析を行い、1事例から薬物が検出された。【検出薬物】ピラセタム、サリチル酸が検出された。 ②覚醒剤を含む骨を用いての2種の抽出方法の抽出効率の比較実験を行った。メタノール抽出法、アセトニトリル/水抽出法の比較を行った。後者の方が抽出効率が良い傾向を示したが、残試料が少量で回数を重ねての検討が困難であった。これと同時に、骨に含まれる薬物全量を抽出できているか確認するため、10回連続抽出を行い、抽出回数と抽出量を調べた。今回の2種の抽出法では3-4回で検出限界値以下となり、今後の抽出回数の指針が得られた。 ③超音波抽出法を用いた時短抽出法の試みを行った。現在まで24時間加温振盪抽出を行ってきたが、超音波を用いた常温10分抽出法を試み、現在まで行ってきた24時間抽出法とほぼ同程度の抽出効率であることが予想された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究環境も整いつつあり、分析機器の稼働も軌道に乗ってきたが、本年度は感染症拡大防止などにより研究にかける時間が限られたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年も感染拡大の状況で研究環境は左右されるが、今までの研究で3回程度の抽出で骨からほぼすべての含有量が抽出できることが判明したことから、2種の抽出法のより良い方法を採用し、実際の事例に応用する。また、抽出法が確定すれば、骨中濃度と血中濃度との比較も可能となる。 現在までの研究での問題点しては、アンフェタミンでは骨抽出液でのイオン化が抑制される可能性があるというマトリックス効果が推定されたことから、それを考慮して分析結果を解釈する必要があることが明らかとなった。今後、改善策を模索する必要がある。
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Causes of Carryover |
当該年度では研究が進行しなかったため。
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