2019 Fiscal Year Annual Research Report
Neuropathological analysis for aged suicide victims.
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17K09263
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
西田 尚樹 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (10315088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 由紀子 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (30311674)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 神経病理 / 自殺 / 高齢者 / 神経変性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の神経標本作成可能な剖検例は161例であり,全症例に対して,計画書通り神経組織の切り出し,標本作製,免疫染色を行った上で,神経病理学的評価を行った。 最終的に平成22年度から令和元年度までの全剖検数は1902例で,そのうち50才以上でかつ神経標本作成可能であった症例は1147例であった(男性692例,女性455例,平均年齢73.3±11.3才)。うち自殺例(S群)は303例(男性127例,女性176例,平均年齢71.5±11.9才),その他(Non-S群)844例(男性565例,女性279例,平均年齢74.0±14.0才)で,両群の平均年齢に有意差はなかった。 両群間の神経病理学的因子出現数について,Fisherの正確確率検定,Odd比の算出を行った,その結果,嗜銀顆粒症(S群98例,Non-S群220例)はS群で有意に多く(p<0.05, odd比1.36),Alzheimer`s disease (AD)の病理学的進行度評価であるNIA-AAクライテリアで,highとなった症例はS群で有意に少なかった(S群21例,non-S群103例, p<0.05, odd比0.54)。 その他,レビー病理(S群61例,Non-S群146例),レビー病理stage 4以上(S群24例,Non-S群279例),神経原線維変化陽性数(S群272例,Non-S群769例)は両群間で有意差を認めなかった。進行性核上性麻痺(S群老人斑出現率(Thal分類stage 3以上)(S群70例,Non-S群236例)も有意差はなかったがodd比は1.58であった。 本研究から神経変性疾患の中でも4-リピートタウオパチーである嗜銀顆粒症や進行性核上性麻痺が自殺の危険因子である可能性が示され,高齢者の気分障害,自殺には器質的疾患が一定程度関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(11 results)