2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an exctraction for water soluble drugs in forensic samples
Project/Area Number |
17K09264
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奈女良 昭 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (30284186)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 法中毒 / 薬物分析 / 分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では親水相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分離モードを利用した水溶性化合物を特異的に保持・精製し、簡便で失敗の無い抽出・精製方法を検討し、薬物鑑定の迅速化を可能にすることを目的とする。水溶性薬物など50種の分離を検討した結果、ZIC-HILICカラムを使用することで一斉分離は可能となった。MonoSpin SCX、MonoSpin C18-SCX、MonoSpin Phospholipid、OASIS MCX、を使用して生体試料からの精製度や回収率を検討したが、水溶性薬物を一斉に抽出できる基剤の発見には至らなかった。最終的には、全血0.1mlを0.1%ギ酸含有アセトニトリルにて除タンパクし、遠心分離して得られた上清を遠心分離機でCaptiva EMRに通液させることで分析の妨害となる内因性成分を除去し、簡便かつ人為的な誤差なく水溶性成分の単離・精製が可能となった。全血からの回収率はアセトニトリルを用いた場合は60%近く、ギ酸含有のアセトニトリルを用いた場合には更に20~30%上昇した。また、ばらつきも2.4~7.9%と小さくなる傾向が認められた。ただし、メトホルミンについては、両条件共にイオンサプレッションが認められ、分離条件の再検討の必要性も示唆されたが、血液中のメトホルミン濃度が高い為に実分析には大きな影響を及ぼさないと考えられ、本法を使用することで、治療域レベルの濃度まで再現良く定量することが可能となった。ただし、テトロドトキシンやATC(2-aminothiazoline-4-carboxylic acid)については、満足な結果が得られなかったことから今後の検討課題として残された。
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