2018 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the effect of coexistence of drinking and major nutrient change on the development of arteriosclerosis and sudden cardiac death
Project/Area Number |
17K09265
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
劉 金耀 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60379956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤宮 龍也 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50219044) [Withdrawn]
姫宮 彩子 (白鳥彩子) 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90593301)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アルコール / 低炭水化物・高蛋白質食 / 動脈硬化 / 心臓性突然死 / 酸化ストレス / 血管内皮前駆細胞 / 心臓自律神経機能 / 心筋ギャップ結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究内容:1.高脂血症マウスと野生型マウスをエタノール水と低炭水化物・高蛋白質食(LCHP)で単独または併用で飼育し,血管・心エコーを行い,動脈硬化を反映するmaxIMT,心機能を反映する左心室駆出率を評価した.2. 投稿論文の修正のために,①大動脈のOil-Red-O脂肪染色,蛍光免疫染色を行い,動脈硬化を反映する脂肪陽性面積,酸化ストレス(8-OHdG)と抗酸化ストレス(MT)の発現量を追加評価した.②肝組織を用いて,脂質代謝関連遺伝子(FAS・PPARα)の発現量を調べた.3. 2019年度研究計画の前倒しを行い,①心エコーおよび急性拘束とエピネフリン不整脈誘発試験を行った.②free-moving状態の心電図を用いて,心拍変動を解析し,心臓自律神経機能を確認した.③左心室組織を用いて交感神経活性化(NPY)・心筋障害(Tnnt2)および心筋ギャップ結合機能関連遺伝子(Cx43)の発現量を調べた.
研究の意義:飲酒とLCHP食の併用が、マウスの動脈硬化症の進展および心臓性突然死発症リスクの増加へもたらす影響を確認し,動脈硬化進展と心臓性突然死へ関与する酸化ストレス状態・内皮細胞の傷害と修復,自律神経機能・心筋ギャップ結合機能,またその制御機構についての基礎研究である.
研究の重要性:高脂血症マウスにおいて,飲酒とLCHP食の併用は,1.大動脈壁にて高酸化ストレス状態を起こし,動脈硬化を促進する.2. 血管内皮前駆細胞(EPC)を制御する関連遺伝子(FLK-1, CD133とNRP-1)発現量の増加抑制を介し,大動脈壁中EPCの動員・血管内皮細胞への分化に影響して,動脈硬化の進行と関与する.3. 交感神経優位の心臓自律神経機能失調,心筋障害および心筋ギャップ結合機能の変動を引き起こし,心機能低下および致死性不整脈発症リスクを増大させる,という3つの可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2018年度の研究計画を実行した. 2019年度の研究計画2(左心室と大動脈組織を用いて,eNOs3・syndecan-1・soluble thrombomodulin,CD34・CD31,M-CSF1・CXCR4とPECAM-1,VEGF・FLK-1・NRP1,Tnnt2・Cx43遺伝子発現量の変動),2019年度の研究計画5(フローサイトメトリーにより大動脈総細胞中の血管内皮前駆細胞(EPC),白血球由来炎症細胞(CD45)・免疫細胞(CD3・CD4・CD8,CD11c・F4/80)の測定)を行った. 2019年度の実験動物の作成は前倒し行った. 研究成果を国内(2回)・国際(2回)学会および雑誌(3編)で発表した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(2019年度)にて,研究計画4(蛍光免疫組織化学多重染色/共焦点レーザー顕微鏡を用いて,心臓性突然死関連因子(TH・Cx43・pCx43)の細胞生物学的に評価する)を中心とする研究を実施し,研究成果を国内学会に発信する. 2019年度の研究計画5と2020年度の研究計画6(フローサイトメトリーにより大動脈総細胞中に血管内皮前駆細胞(EPC),白血球由来炎症細胞(CD45)・免疫細胞(CD3・CD4・CD8,CD11c・F4/80)の解析)を実施する.
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Causes of Carryover |
2019年度研究計画の一部の前倒しを行った.しかし,当初予定していた実験試薬(心臓性突然死関連因子抗体(TH・Cx43・pCx43))の変更により,76,790円未使用額が生じた。この未使用額については2019年度の実験試薬の購入と研究成果の発信に充てる.
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