2017 Fiscal Year Research-status Report
ハプトグロビンは頭蓋内出血後の合併症及び予後の予測因子になりうるか
Project/Area Number |
17K09283
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
神田 芳郎 久留米大学, 医学部, 教授 (90231307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
副島 美貴子 久留米大学, 医学部, 講師 (80279140)
青木 孝親 久留米大学, 医学部, 講師 (70330842)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ハプトグロビン / くも膜下出血 / 予後予測 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
血清蛋白であるハプトグロビン(HP)は、多型蛋白であり溶血によって生じた遊離ヘモグロビンと結合しその酸化障害作用を中和する機能を有すると理解されており、さまざまな集団で、くも膜下出血後の血管攣縮や予後とHP common多型の間に関連が認められている。そこで、くも膜下出血をきたした患者群について、出血後の合併症や予後の予測因子を探索する目的で、HP common多型に加え、血中HP濃度の経時的変化、さらにHP遺伝子の近傍に局在しさまざまな集団でHP濃度に影響することが知られているSNPであるrs2000999 の遺伝子型と、各種基準に準じて行った臨床的な判定に基づき判定した予後との関係について関連解析をおこなった。その結果、サンプル数が少ないこと、さらに日本人ではHP1の頻度が低いことも影響するものと考えられるが、HP common多型と予後との間に関連は認められなかった。さらに、rs2000999 についても、この多型がHP濃度と関係があると考えたadditive modelで考慮すると予後との関係は認められなかった。 一方、搬入時、4日後、14日後の血中HP濃度の経時的変化を観察した結果、予後良好群では、搬入時予後不良群より高濃度で4日後まで増加し14日後では減少する傾向が認められた。しかしながら予後不良群では、搬入時のHP濃度は良好群よりも低濃度であり良好群と同様に4日後では搬入時より増加し、14日後ではさらに増加しており、経時的な変化に差異が認められた。臨床的な有用性を考えると搬入時の濃度のみでも予後予測因子として有効であるかどうかを、今後他の因子も併せて症例数を増やし検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解析対象であるタンパクの発現解析をおこなうための良い抗体を得ることができていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の計画に沿い研究を進めてゆく予定である。
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Causes of Carryover |
ウェスタンブロッティングあるいはELISA法で機能するよい抗体を選ぶことができず、条件検討等に時間を要してしまったため次年度使用額が発生したものである。30年度には、この計画を継続して実施し実施に必要な物品試薬等を購入する。
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Research Products
(8 results)