2018 Fiscal Year Research-status Report
認知行動療法が心身症患者の自己評価機能に及ぼす効果の脳画像による検証
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17K09286
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 康弘 東北大学, 大学病院, 助教 (20375033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 由香 東北大学, 大学病院, 助教 (00343046)
庄司 知隆 東北大学, 大学病院, 助教 (40360870)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 摂食障害 / 脳画像 / 自己評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は健常女性2名、健常男性13名、神経性やせ症患者1名、神経性過食症患者1名の新規撮像を行った。また、1年後フォローアップとして健常女性4名、健常男性1名、神経性やせ症患者10名、神経性過食症患者2名の撮像を行っている。これで本研究開始からの累計撮像数は初回で患者39名、健常女性23名、健常男性24名であり、フォローアップ撮像は患者25名、健常女性16名、健常男性8名となっている。 神経性やせ症患者29名と健常女性23名を対象に行った試験的解析では、下側頭回、外側後頭回、眼窩前頭回など広範な領域にわたって患者群で優位に皮質厚が低下していることが確認できた。年齢とBMIを交絡因子として加えた解析でも下側頭回と外側後頭回で患者群の皮質厚低下を認めた。また自尊感情尺度のスコアと皮質厚の相関を群間比較すると、左楔部と右下頭頂小葉において患者群が正の相関を示したのに対して、健常群は負の相関を示した。年齢とBMIを交絡員として加えると左上頭頂小葉で患者群が正の相関、健常者が負の相関を示した。患者群と健常群で債を示した領域は自己評価ネットワークに関連する領域であり、興味深い結果と言える。 予備実験の結果に基づき自己評価課題を作成した。同課題をfMRI環境下で試行可能なように調整した。 無作為割り付けによる摂食障害用および過敏性腸症候群用認知行動療法の効果検証プロジェクトが多施設共同研究として具体化し、無作為割り付けのシステムなどが完成、次年度より患者の登録を開始できる状況になった。 2019年11月沖縄で開催された摂食障害学会において「摂食障害―ここまでわかった脳科学のエビデンス」と題して教育講演を行い、摂食障害患者を対象とした脳画像研究の成果を広く解説した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題の作成が当初予想より困難で、かつ被験者確保に難渋したため自己評価課題が施行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は速やかに自己評価課題を施行して、fMRI課題を開始できるようにする。
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Causes of Carryover |
撮像を行っている加齢医学研究所のMRI更新のため2019年度は撮像できなくなる可能性があるので、撮像数を増やした。来年度は撮像数が減少する見込みなので、計画に支障はないと考えられる。
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