2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the Effect of Cognitive Behavior Therapy to Self-evaluation of Patients with Psychosomatic disease with Neuroimaging.
Project/Area Number |
17K09286
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 康弘 東北大学, 大学病院, 講師 (20375033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 由香 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (00343046)
庄司 知隆 東北大学, 大学病院, 助教 (40360870)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 摂食障害 / 脳画像 / 自己評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
心身症患者は一般に自己評価が低い。自己評価の低さが発症要因となったり、疾患による機能低下が自己評価の低下を招いたり、疾患と自己評価の低下が悪循環を形成する場合もある。 本研究においては、まず代表的心身症である摂食障害(神経性やせ症および神経性過食症)の患者群と健常群の構造脳画像を撮像し、皮質厚解析を行った。患者群は 広範な領域で皮質厚が低値となっていた。皮質厚と自己評価質問紙である自尊感情尺度との相関解析を行うと右前頭極で患者群は負の相関を示し、逆に健常者は正の相関を示した。前頭極はメタ認知など極めて高度な認知機能に関わる領域であり、健常者では前頭極が構造的に発達している程自己評価が高まり、患者では前頭極が発達している程逆に自己評価が低くなっていると考えられた。 自己評価機能を解明するため神経心理学的課題の作成を行った。肯定的評価、否定的評価を表す短文に被験者本人である「私」と最も親しい友人を主語として組み合わせた短文を作成した。この文章が正しいか正しくないか評価させた。同時に施行した自尊感情尺度は肯定的自己評価との相関係数が0.68、否定的自己評価とは0.73で有意となっていたが、自尊感情尺度と2種の他者評価との相関はなかった。因子分析では否定的自己評価と肯定的自己評価が第1因子、肯定的他者評価と否定的他者評価が第2因子として同定された。以上より本課題の妥当性が示された。同一課題を2-4週後に再検すると、肯定的自己評価は相関係数0.93、否定的自己評価は0.92と高い相関を示した。肯定的他者評価については0.63 否定的他者評価については0.57となっていたが、これも有意だった。以上より本課題の信頼性が示された。 本研究は認知行動療法による自己評価の変化の脳内機序を明らかにすることを目指していたが、CODI-19の流行により果たせなかった。今後研究を継続していく。
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