原因不明の消化器症状と食思不振患者における脳―消化管神経機能の類似性の検討

2017 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 17K09289
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 庄司 知隆 東北大学, 大学病院, 助教 (40360870)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 遠藤 由香 東北大学, 大学病院, 助教 (00343046) ; 佐藤 康弘 東北大学, 大学病院, 助教 (20375033)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 上部消化器症状 / 脳機能

Outline of Annual Research Achievements

本研究の主要項目である脳機能および構造画像の撮像方法ならびに被験者についてMRI施設の脳機能画像研究者と協議を行った。目的とする6疾患のうち稀な疾患は十分な症例数を獲得できないことが想定され、対応として群間機能性消化管障害（FGID）群および摂食障害（ED）群の2群とすることで各群30例（健常者20例）の3群比較とし、6群間比較はセカンダリ解析とした。本研究は、FGID群とED群において食事誘発の上腹部症状発現の共通するメカニズムを脳腸相関の観点から明らかにするものであるが、因果関係をより明確にするため、消化管機能検査と脳機能検査を異なる2日間で施行する計画を食事負荷時に脳機能画像を撮像するプロトコルに改良する方針となった。液体栄養食摂取前後に脳MRI撮像、採血および症状質問紙の回答を行う。プロトコル改良により、MRI施行に関する様々な規則制限との調整を要した。採血と被験者管理のため検査に医師2名を配置。金属類は持ち込めないため胃電図による消化管機能検査を別日に設定。また、解析方法をVBMに加えて機械学習による解析を計画に取り入れた。機械学習はPython3ベースでオープンソースのscikit-learnを用いる。FGID群およびED群の教師有り学習ならびに全対象者に症状・血液データ・消化管機能を特徴量とした場合の脳構造の分別解析を施行するにあたり、機械学習解析関連の文献検索と既存サンプルデータを利用して解析環境の整備を開始した。海外の動向に着目し、本研究の科学的新規性とこれまでの知見と臨床経験との妥当性を確認し、倫理委員会の承認申請を準備し検査実施に向けている。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

施設内研究者とのディスカッションでプロトコルの一部改良の方針となり、それに伴い、検査手順の変更、検査枠の確保、検査中の医師配置の手配、など施設内の調整に時間を要した。また、解析に機械学習を取り入れたことで、解析プログラムの構築と動作確認に時間を要した。

Strategy for Future Research Activity

研究プロトコルの調整、医師確保を得ている。検査枠の確保と倫理申請を行い、被験者リクルートを開始する。希少疾患は症例数が少なく収集が困難であるが。対策として関連医療機関に検査対象者の紹介を依頼する。

Causes of Carryover

計画されていた被験者予備検査分が次年度へ繰り越しとなった。
次年度は予備検査の実施により使用計画に復する見込みである。