2017 Fiscal Year Research-status Report
オキシトシンを標的とした抑うつ状態合併関節リウマチのあらたな治療戦略の構築
Project/Area Number |
17K09324
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
三輪 裕介 昭和大学, 医学部, 准教授 (70420940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 良 昭和大学, 医学部, 助教 (00465155)
佐野 佳弘 昭和大学, 薬学部, 准教授 (40338538) [Withdrawn]
荒川 秀俊 昭和大学, 薬学部, 客員教授 (70129807) [Withdrawn]
唐沢 浩二 昭和大学, 薬学部, 講師 (90595951) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 抑うつ状態 / オキシトシン |
Outline of Annual Research Achievements |
「オキシトシンを標的とした抑うつ状態合併関節リウマチのあらたな治療戦略の構築」をテーマに研究を開始した。生物学的製剤を新規もしくはスイッチで開始した関節リウマチ患者さんを対象に、現時点では119例がエントリーされた。目標エントリー数は100例であり、予定より若干多いエントリー数であった。 2017年度の研究では横断的研究を行い、以下の結果を得た。①血清オキシトシン濃度は罹病期間と正の相関を認めた(r=0.443, p=0.000)。また、メトトレキサートの使用量(r=0.208, p=0.030)と正の相関を認め、腫脹関節数(r=-0.283, p=0.003)、赤沈(r=-0.245, p=0.010)、CRP (r=-0.283, p=0.003)、SF-36のサマリースコアのうちmental component summary (MCS) score (r=-0.196, p=0.041) とそれぞれ負の相関を認めた。②二項ロジスティクス解析では、年齢が若いこと(p=0.0209, odd ratio: 0.96, 95%CI: 0.94-0.99)、罹病期間が長いこと(p=0.0053, odd ratio: 1.08, 95%CI: 1.02-1.13)との関連が認められた。しかし、ハミルトン抑うつ状態スコア(HAM-Dスコア)とは血清オキシトシン濃度との関連性を見いだせなかった。また、他の因子についても関連性を見いだせなかった。若年者でオキシトシンが高値になることは容易に想像できるが、罹病期間の長いこととの関連については、今後検討課題である。 2018年度は予定通り6か月間の縦断研究に移行する。6か月間の観察期間を全うできない症例が一定数予想されるため、119例のエントリー数でも問題はないと考える。むしろ、横断研究に移行した際に十分な症例数を確保するため、2018年度も新規のエントリーは継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度は予定通り横断研究を行った。エントリー数として100例を設定していたが、現時点では119例がエントリーされている。血中オキシトシン濃度と抑うつ状態の相関、関節リウマチの疾患活動性、QOL、ADLとの関連について検討した。 結果、血清オキシトシン濃度は、メトトレキサート使用量が多いほど、腫脹関節痛が少ないほど、赤沈が低いほど、CRPが低いほど、QOLの評価であるSF-36のサマリースコアのうちのmental component summary (MCS)が悪いほど高くなる傾向にあることが判明した。しかし、抑うつ状態の評価スコアであるハミルトン抑うつ状態スコア(HAM-Dスコア)との直接的な因果関係は見いだせなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度の研究成果を踏まえ、予定通り縦断研究に移行する。治療開始前、治療開始6か月後で比較し、関節リウマチの疾患活動性が低下した群(改善群)、低下しなかった群(非改善群)の2群に分け、重複測定分散分析法にて治療前後における血中オキシトシン濃度、各種パラメーターの変化を両群で比較検討する。 その後、3種類の寛解(臨床的寛解、機能的寛解、構造的寛解)と、それぞれの寛解に至る群と至らない群での血清オキシトシン濃度の解析、治療の有効性と血清オキシトシン濃度の関連の解析、オキシトシン濃度を層別化して、治療の有効性、寛解の割合の検討を行う予定とする。 なお、観察期間が6か月間であるため、6か月間の観察期間を全うできない症例が一定数予想されるため、119例のエントリー数でも問題はないと考える。むしろ、横断研究に移行した際に十分な症例数を確保するため、2018年度も新規のエントリーは継続する。
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Causes of Carryover |
現在作成中の論文の英文校閲費用、投稿費用のため、次年度使用額が生じました。
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Research Products
(2 results)