2017 Fiscal Year Research-status Report
Mecahnical analysis of RCAN1 on stress disorders
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17K09330
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
神田 享勉 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40261838)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | RCAN1 / 認知症 / 自発運動 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はBDNFが、脳のみでなく心筋や骨格筋に発現し栄養摂取の影響を受け、肥満や糖尿病などの代謝疾患による心機能障害に酸化ストレス防御であるBDNFが関与していることを明らかにしてきた。BDNFは脳の海馬萎縮を抑制、心筋壊死を防御している(Int J of Cardiovasc Res, 2013)。BDNFプロモーターの上流の調節はRCAN1遺伝子であり、RCAN1ノックアウトするとBDNFを介して興奮性細胞が抑制され不安状態が抑制される(Hoeffer他、2013)。 また、肥満の抑制にもRCAN1遺伝子が関与している(Rothermel他、2015)。今までストレス応答には核内転写因子Nrf2/AREシグナル伝達系の活性化が起こり認知症や心筋障害、肥満、糖尿病などへの防御機構が重要視されてきた(Johnson他、2015)。 既に私たちは、高脂肪食肥満マウスで海馬内RCAN1とBDNF遺伝子の抑制と3か月の自発運動による改善を見出し、同様に肥満によって生じた認知機能障害の改善をMorris Water Maze法で確認した。 そこで、肥満認知症モデルでの解析を行った。運動と脂肪食負荷による RCAN1発現の機構の検討が目的である。APOEノックアウトマウスに高脂肪食を3か月投与し動脈硬化で肥満のマウスモデルができる。認知症かつ高脂血症になり抑うつ状態も誘導された。 そして自発運動によって心筋内のRCAN1遺伝子発現が亢進していた。しかし食事制限では同様の改善は認めなかった。海馬での遺伝子発現変化は有意なものではなかった。6ヶ月自発運動負荷または脂肪食付加の結果は今後の研究とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肥満認知症モデルでの解析を行っており、3ヶ月と6ヶ月の2段階共に実験が進行している。ただし、3ヶ月での遺伝子解析は終了しているが6ヶ月ではまだ解析が未完成である。次年度での解析を予定している。 進捗状況が遅れた理由として、計画どおりに実験動物が搬入できず、スタートが遅れたことと、遺伝子発現検索に1ヶ月以上の時間を要したことによって、結果の獲得が大幅に遅れたことによる。 今後は、実験動物獲得と遺伝子解析の迅速化が必須となる。
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Strategy for Future Research Activity |
肥満認知症モデルでの解析を行う予定である。運動と脂肪食負荷による RCAN1発現の機構の検討が目的である。APOEノックアウトマウスに高脂肪食を3か月投与し動脈硬化で肥満のマウスモデルができるし、認知症かつ高脂血症になり抑うつ状態も誘導される。脳の海馬と心筋、骨格筋の解析を更に6ヶ月脂肪の食事または自発運動でRCAN1遺伝子発現がどう誘導や抑制が行われるかを解析するものである。 更に本研究は次の項目を明らかにしてゆくものである。 ①RCAN1抑制がどのような代謝ストレスで起こるのか。 ②どの臓器がRCAN1発現誘導で改善するのか。Nrf2/ARE伝達系を誘導するか。 ③生活習慣病の治療薬、運動、食事制限でRCAN1発現誘導がおこるか。
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Causes of Carryover |
認知症モデル実験において、経費にかかる費用が想定より、9万円ほど少なくなった。旅費等に使用予定であったが、次年度の予算計上で行うこととした。
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Research Products
(1 results)