2017 Fiscal Year Research-status Report
本態性高血圧症に対する鍼治療の血圧に及ぼす効果と作用機序に関する研究
Project/Area Number |
17K09338
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Research Institution | Kansai University of Health Sciences |
Principal Investigator |
木村 研一 関西医療大学, 保健医療学部, 准教授 (50353040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 文博 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00227076)
石田 和也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70398460)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高血圧 / 鍼 / 交感神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度はプロトコール1を行った。プロトコール1では高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)に基づき収縮期血圧が140-159mmHg、あるいは拡張期血圧が90-99mmHgの1度に該当する本態性高血圧症患者7名と正常血圧者7名を対象とした。本態性高血圧症患者は非喫煙者で7名のうち、降圧剤を服用しているものが3名であった。正常血圧者は高血圧症患者と年齢、性別をマッチングした非喫煙者とした。プロトコールは検査室で安静仰臥位にて室温順応後、安静10分、鍼治療を15分、回復期を20分、測定した。心電図は胸部誘導より記録し、血圧は上腕からカフにて2分毎に測定した。鍼治療は有資格者が百会穴、両側の内関穴、合谷穴、足三里穴、太衝穴に置鍼を行った。結果、高血圧症患者では鍼治療により収縮期血圧、平均血圧、心拍数が低下し、鍼治療後も低値を維持した。一方、正常血圧者は心拍数は低下したが、血圧はほぼ一定であった。拡張期血圧は正常血圧者と高血圧症者で治療後の値は変わらなかった。以上の結果より、鍼治療は本態性高血圧症患者の血圧を下げる効果がみられた。また、それらの降圧効果は収縮期血圧において拡張期血圧より顕著であった。さらに降圧剤を服用している高血圧症患者においても血圧の低下がみられたことから、鍼治療は本態性高血圧症に対して降圧剤の併用療法としての効果も期待されると思われた。今後は鍼治療の血圧の降圧効果に対する交感神経の関与について検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ポスター募集を行っているが本態性高血圧症患者のリクルートに時間がかかっている。また、測定機器の不具合もあり、研究課題の遂行が若干、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はプロトコール1の結果を踏まえて、本態性高血圧症に対する鍼治療の降圧効果の機序について心拍変動解析やマイクロニューログラフィを用いて交感神経の関与を明らかにする。
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Causes of Carryover |
当初、購入予定であった連続血圧計が高額なため、従来の周波数解析より短時間での周波数解析が可能なMemCalc社の心拍変動解析ソフトならびにコンピューターの購入を予定している。
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Research Products
(1 results)