2019 Fiscal Year Annual Research Report
Prevention of stricture formation after endoscopic submucosal dissection using mesenchymal stem cell culture supernatant
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17K09342
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野 尚子 北海道大学, 大学病院, 講師 (60431376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 俊介 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (10443475)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 内視鏡的粘膜下層剥離術 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の内視鏡診断・治療技術の進歩により、食道がんがより早期に発見され、内視鏡的に切除される症例が増加している。また、表層拡大型の食道がんの場合も広範囲に内視鏡的に一括切除が可能となり、食道がん患者に対して低侵襲の治療法が提供できる時代になってきた。しかしながら、内視鏡的に広範囲に切除すると、合併症として狭窄が高頻度に生じることが明らかになってきた。その治療法としては内視鏡的バルーン拡張術や、予防的にステロイドの局注または内服が試みられているが、十分な効果を認めておらず、食道穿孔やステロイドの副作用による重篤感染症などの有害事象も報告されているのが現状であるため、新規治療法の開発がのぞまれている。一方、骨髄などに存在する間葉系幹細胞の組織再生効果の機序として、細胞から分泌される種々の液性因子が重要と考えられてい る。しかしながら、ドナーから骨髄を採取することは侵襲をともない倫理的にも問題がある。最近、分娩時に通常廃棄されている卵膜などの胎児付属物にも、間葉系幹細胞が豊富に含まれていることが明らかになり、この胎児付属物由来間葉系幹細胞が骨髄由来間葉系幹細胞にかわる新しい再生医療材料となる可能性がある。 本研究は、食道粘膜下層剥離術(ESD)後狭窄に対する新規治療法の開発をめざし、羊膜由来間葉系幹細胞の培養上清に着目し、大動物モデルに対する効果および作用メカニズムを明らかにし、臨床応用への基盤を整えることを目的としている。 今年度は、より臨床現場の実情に近い新規のブタ食道ESD後狭窄モデルとして、全周性のESD施行後にできた狭窄に対しバルーン拡張術を行い、その後さらに狭窄するモデルの安定したモデルを作成し、培養上清の効果を検討した。
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