2017 Fiscal Year Research-status Report
Association of oral microbiome with esophageal adenocarcinoma and squamous cell carcinoma
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17K09345
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
飯島 克則 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60375003)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 食道腺がん / 食道扁平上皮がん / 口腔内細菌叢 / 次世代シークエンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
食道がんは腺がん、扁平上皮がんに大別されるが、いずれもその病態発生に口腔内細菌叢が関与している可能性がある。申請者は、これまで硝酸塩を含む食事を摂取後、食道・胃接合部に限局して、高濃度の一酸化窒素が発生し、食道のバレット上皮化生・腺がん発生に至る可能性について報告してきた。この反応においては、口腔内細菌によって硝酸塩が亜硝酸塩に還元される必要がある。また、扁平上皮がんにおいては、アルコールが口腔内細菌によってアセトアルデヒドに変換され、それが唾液とともに嚥下されることで、口腔内、食道、胃の上部消化管の発がんリスクが高まると考えられる。 今回、次世代シークエンサーによる口腔内細菌叢の網羅的な解析を用いて、特定の機能を有する口腔内細菌と食道腺がん、扁平上皮がんとの関連を検証することを目的とする。食道扁平上皮がんでは、アルコールからアセトアルデヒドを産生する菌、食道腺がんでは、硝酸塩から亜硝酸塩を産生する細菌叢に着目して解析を行う。 このように口腔内細菌叢と食道の発かんとの関連を解明することで、今後、口腔ケアや特定の菌種を対象とした治療介入の可能性が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
食道扁平上皮がん、食道腺がん患者で唾液を採取し、口腔内細菌叢を検討する研究が、昨年11月に秋田大学医学部倫理委員会で承認された(承認番号1864)。また、唾液中の細菌叢の解析は、秋田大学バイオサイエンスセンターにある次世代シークエンサーを用いて試みている。まず、試験的に健常ボランティアから唾液の提供を受け、唾液からDNAを抽出し、それを試料として次世代シークエンサーにて解析し、試行錯誤の上、比較的良好な解析結果を得られるようになった。 現在、食道扁平上皮がん患者、及び、健常コントロールから唾液を採取し、凍結保存している。コストの関係で、症例が10例集まるごとに次世代シークエンサーでの解析を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
秋田大学附属病院では、秋田全県から食道扁平上皮がん患者が多数紹介されおり、引き続き、それらの患者に研究参加を依頼し、食道扁平上皮がん、及び、健常コントロールからの検体採取を行い、集積していく。また、唾液だけではなく、食道粘膜表層に付着した細菌叢の解析も行うため、内視鏡的にブラッシング法にて、食道表面からの粘液採取をを行い、その検体を次世代シークエンサーにて解析することも予定している。 一方、食道腺がんに関しては、未だ、全国的に症例数が少ないこともあり、秋田大学附属病院でも、年間の患者は、10例以下に留まるの考えられる。よって、今後は、食道腺がんの患者数を増やしていくため、多施設での共同研究を計画していく予定である。
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Research Products
(2 results)