2018 Fiscal Year Research-status Report
Association of oral microbiome with esophageal adenocarcinoma and squamous cell carcinoma
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17K09345
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
飯島 克則 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (60375003)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 口腔内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
食道癌には、扁平上皮癌と腺癌の2つのタイプがある。扁平上皮癌では、喫煙・飲酒、食道腺癌は、胃・食道逆流症、肥満が各々危険因子と考えられており、2つのがんは、全く異なる発生要因からなるとされている。このうち食道腺癌は世界的に増加していることが指摘されており注目されている。本邦においては、これまでは、食道扁平上皮癌が、食道癌の大多数を占め、食道腺癌は少ないとされていたが、我々の秋田県のがん登録を用いた検討で食道腺癌の増加が始まっていることが明らかとなった(Koizumi S, et al. J Gastroenterol. 2018;53:827-833)。 今回の検討では、口腔内細菌叢に着目して、食道扁平上皮癌、食道腺癌の発生要因を検討することを目的としている。 食道扁平上皮癌の検討では、単施設でも十分な患者数があり、順調に患者エントリーが進み、患者群10例、健常コントルール群10例からの唾液、及び血液検体を採取できた。血液検体からアセトアルデヒド脱水素酵素の遺伝子多型を測定し、唾液検体は、当施設にある次世代シークエンサーを用いて細菌叢の解析を行った。その解析は終了し、その結果の解釈を進めている。 食道腺癌の検討では、患者数が少ないため、単施設での患者エントリーが、非常に難しくなっていた。そこで、食道腺癌の症例数の多い東北大学病院消化器内科に共同研究を依頼した。この共同研究は、すでに、東北大学病院の倫理委員会に承認されており、今後は、秋田大学病院と東北大学病院で症例を集めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔内細菌叢解析のために食道扁平上皮癌、及び、食道腺癌患者からの唾液検体採取を進めている。このうち食道扁平上皮癌に関しては、症例数が多く、当施設のみでも十分に患者エントリーが可能であり、順調に進んでいる。一方、食道腺癌患者はもともと患者数が少なく、患者エントリーが難しくなることも予想された。今回、同疾患が多数集積している東北大学病院消化器内科と共同研究の形をとって、食道腺癌患者のエントリーを進めていくことにした。
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Strategy for Future Research Activity |
食道扁平上皮癌での検討では、すでに10例の患者及び、コントロールからの唾液検体が採取され、次世代シークエンサーでの解析が終了している。ただし、細菌叢の解析には、さらに症例数を増やしていかなけばならず、30症例を目指していく。そのうえで、データの解釈を行い、食道扁平上皮癌と関連のある口腔内細菌叢を同定していく。 食道腺癌の解析では、東北大学消化器内科と共同研究のもと症例数を増やしていくこととする。
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Research Products
(1 results)