2019 Fiscal Year Annual Research Report
The The roles and regulation-mechanisms of adipose tissue in the survival, growth, invasion and lipid deposition of Barrett's esophageal cancer
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17K09352
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
戸田 修二 佐賀大学, 医学部, 教授 (80188755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 資尚 佐賀大学, 医学部, 助教 (50404158)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バレット食道癌 / 内臓脂肪組織 / 皮下脂肪組織 / 脂肪滴沈着 / 増殖 / アポトーシス / 浸潤 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、バレット食道(BE)癌の発症と内臓、皮下脂肪組織の増加を基盤とする肥満との関連が示唆されている。BE癌は粘膜内で発生し、粘膜下層 → 筋層 → 外膜下層へと浸潤する。一方、粘膜下層、外膜下層、腹腔内には脂肪組織が存在する。さらに、脂肪組織由来脂質が癌細胞に脂肪滴として取り込まれ、癌細胞の細胞動態に影響することが示唆されている。それ故に、脂肪組織がBE癌の細胞動態に活発に影響していると予想される。しかし、脂肪組織がBE癌細胞に与える影響を解析した研究は国内外にはなく、その詳細は不明である。我々は、初めて脂肪組織の器官培養系を開発し、脂肪組織がBE癌細胞に与える直接的な影響を解析することを可能にした。本研究では、BE癌細胞の生存、増殖、浸潤、脂肪滴沈着における脂肪組織の役割とその制御機構を解明する。本研究により、①上記2種類の脂肪組織のBE癌に与える影響とその制御因子の同定や、 ②BE癌の新規分子標的治療薬の開発が期待できる。 内蔵、皮下脂肪組織は、癌細胞の増殖、浸潤を促進し、アポトーシスを抑制した。さらに、脂肪酸輸送・合成分子(FATP-1, -4, -6, CD36)、脂肪滴形成・輸送分子(Perilipin-1, 2)、脂質情報伝達分子(PAF)の発現を促進した。また、MAPK pathwayの発現亢進が見られた。しかし、STAT3 pathway, IGF-1/PI3K/ AKT/mTOR/AMPK pathwayの発現促進傾向がみられたが、有意差は見られなかった。 以上、バレット食道癌の進展には、内臓、皮下脂肪組織が関与していることが示唆され、その基盤分子は脂肪酸輸送・合成分子(FATP-1, -4, -6, CD36)、脂肪滴形成・輸送分子(Perilipin-1, 2)、脂質情報伝達分子(PAF)、MAPK pathwayの関与が考えられる。
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Research Products
(2 results)