2018 Fiscal Year Research-status Report
バレット食道におけるバレット腺癌リスクマーカーの検討
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17K09364
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
村尾 高久 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40388971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 昭子 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80275354)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バレット腺癌 / LSBE / SSBE / PDZK1 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの臨床研究の成果でLSBEやEACとの関連性が認められたSERPINB7に注目し、SERPINB7の遺伝子を導入した強制発現株および対照株の樹立をバレット腺がんの細胞株OE19, OE33を使って試みたが、困難であった。そのため同様の傾向を示すPDZK1に注目して同様に発現株の作成を試みたところ、OE33で安定な発現株が得られた。これらの遺伝子の導入した細胞株を樹立し、遺伝子導入細胞株を用いて細胞形質および形態の変化や増殖・アポトーシス・細胞走化性について現在検討中であり、これらの遺伝子の役割について解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PDZK1過剰発現およびノックダウンプラスミドを構築し、バレット腺癌細胞株であるOE33細胞にトランスフェクトした。 ウェスタンブロット分析では、それぞれの空ベクターでトランスフェクションしたB5細胞と比較して、P4細胞およびP5細胞株でPDZK1発現が効果的に過剰発現されることを確認した。EZ-TAXIScanTMによる細胞遊走能の評価を行ったところ、空ベクターを導入した33B5と比較し、PDZK1を発現させたOE33の細胞株B4、B5はそれぞれ細胞の移動距離、移動速度が向上した。またアネキシンによるアポトーシスの割合の変化をフローサイトメトリーで検討中である。引き続き実験条件を変更しながら検証を重ねていく予定としている。また並行して細胞の増殖能の測定を現在実施しており、結果を解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの臨床研究の成果で関連性が確認されたPDZK1のLSBEおよびEACの発生との関連性を確認するとともにその役割について基礎研究を行う。具体的には食道扁平上皮癌および腺癌の細胞株を用いてPDZK1の遺伝子を導入した強制発現株および対照株を樹立し、以下の比較を行う。さらに、マイクロアレイ解析による発現株と対照株における遺伝子発現の比較を行い、有意に発現が変化する遺伝子を抽出する。 ①細胞形質および集合形態 ②コロニー形成やMTT法による増殖の違い ③フローサイトメトリーによるアポトーシスや細胞周期の比較およびウェスタンブロッティングによる関連因子発現量の変化 ④Wound-healing assay やInvasion-assayによる遊走(転移)・浸潤能の違い
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Causes of Carryover |
遺伝子を導入した強制発現株および対照株の樹立が遅れたため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は31年度交付額と合わせて樹立した発現株を用いて①細胞形質および集合形態②コロニー形成やMTT法による増殖の違い③フローサイトメトリーによるアポトーシスや細胞周期の比較およびウェスタンブロッティングによる関連因子発現量の変化④Wound-healing assay やInvasion-assayによる遊走(転移)・浸潤能の違い、さらに、マイクロアレイ解析による発現株と対照株における遺伝子発現の比較を行い、有意に発現が変化する遺伝子を抽出することやこれまでの研究成果の発表や論文投稿などに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)